「杉本結」
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本への愛が溢れる『ブックセラーズ』
電子化が進み本の存在が少しずつ衰退している昨今。それでもページをめくってその手が止められないあの感覚は至福であり、本を読むということは自分の知らない世界を知ると同時に自分の内面と自然と向き合う作業であったりもする。
4/19 (Mon)-
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子供にみせる親の背中『約束の宇宙(そら)』
本作は宇宙飛行士の母親と娘の絆の物語であり、娘の成長ストーリーであると共に家族の成長ストーリーにもなっている。母親の職業は宇宙飛行士ということで、身近なものではないし感情移入しにくいのではないかという思いもあったが取り越し苦労であった。
4/15 (Thu)-
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夢の開拓からみるアメリカ。『ミナリ』
ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞した本作。アメリカの映画ながら韓国出身の家族が話の中心にあり、言語の多くが外国語(韓国語)ということで外国語映画という扱いになり物議を醸した。
4/13 (Tue)-
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ただそばにいる優しさを知る『僕が跳びはねる理由』
本作の原作は東田直樹の「自閉症の僕が跳びはねる理由」です。日本人の書いた本が30か国以上で出版され世界中で広く読まれています。 原作者の心の声が文字となっているのですが、作者自信が自閉症でありこれは本当に私たちの想像する以上に大変なことなのだと思いました。
3/26 (Fri)-
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自然の中に身をおいて考える今後の人生『ノマドランド』
本作はゴールデングローブ賞で最優秀作品賞(ドラマ)、最優秀監督を受賞した。アカデミー賞でも主要部門の作品賞、監督賞、主演女優賞にノミネートされ、全6部門のノミネートをはたしている。
3/23 (Tue)-
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西宮から全国へ届け!『にしきたショパン』
兵庫県西宮市、現在では関西の住みたい街ランキングの上位に名前があがる西宮北口、通称『にしきた』を舞台に世界へ羽ばたこうと必死に生きる男女のピアニストの物語。
3/18 (Thu)-
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金魚すくい漫画原作×ミュージカルの化学反応『すくってごらん』
歌舞伎界のプリンス尾上松也とももいろクローバーZのリーダー百田夏菜子。共に映画初主演というフィールドの違う2人がみせる化学反応が、原作からは全く想像出来ない形で映画化されている。
3/16 (Tue)-
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機械との共存問題を考える『AI崩壊』
もしもこの先、私たちが「OK、Google」「Hey、Siri」が手離せないほど、機械に頼った生活が当たり前になったら......。そんなことを終始考えさせられる近未来サスペンスでした。
3/11 (Thu)-
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伝えなかった想いの行方『パンとバスと2度目のハツコイ』
ハツコイの人に思いを告げることもなく心の中にそっとその思いに蓋をしたら思い出が美化される。劇中の台詞「付き合えなかった好きな人を嫌いになれないよ。嫌いになれるほど知らないんだもん」にとてつもなく共感し、この作品を好きになった。
3/10 (Wed)-
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女でいると強くなれる『MISS ミス・フランスになりたい!』
フランス映画らしい華やかで洗練された美しさ、だけど人間らしく力強い作品がうまれた!ジェンダーにとらわれない究極の美しさで世界を魅了するフランスのモデル、アレクサンドル・ヴェテール初主演作品。
2/28 (Sun)-
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あなたはその違和感にどこまで気がつけますか?『哀愁しんでれら』
今思い返せば、この不気味なポスターを見たときから私はこの作品から漂う異様な雰囲気に飲み込まれていたのかもしれない。そのポスターは父親と母親それにうさぎを抱いた娘の3人家族がニッコリとほほえんでいる。だけど、瞳が描かれていない為、全員白目の状態でなんとも不気味なのである。
2/ 5 (Fri)-
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原作ファンも必見! 深く考えさせられるサスペンス作品『ファーストラヴ』
2月11日公開の映画『ファーストラヴ』。第159回直木賞受賞の島本理生の同名サスペンス小説が原作! 原作の空気感を上手く表現した巧みな心情描写が素晴らしく、原作ファンも見逃せない一作となっています。
2/ 3 (Wed)-
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リアルフードサバイバル『プラットフォーム』
忘れられない胸糞映画となった...。(これが最大の褒め言葉になるかと) この映画の世界は私たちが普段過ごしている平坦な世界の中に存在する上級階級とその下にいる人達の生活をリアルな形で上から下の階層に分かれた「穴」のあいた建物として表現している。
1/25 (Mon)-
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イケボに震える『私をくいとめて』
結果よりも一人一人の登場人物の思いの強さや儚さが現実世界に戻った時に自分の背中を押してくれることもある。20代の恋愛は前半と後半で差が出てくる。それは結婚という文字がチラつくようになるからだろう。
12/28 (Mon)-
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断捨離してすっきりしよう!『ハッピー・オールド・イヤー』
タイ映画を鑑賞する機会はなかなかなく、記憶に新しい作品が『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』である。その作品を手掛けたスタジオから新しい作品が誕生した。『バッド・ジーニアス』の作品のテーマ「カンニング」もなかなかの衝撃だったが...今作『ハッピー・オールド・イヤー』のテーマはなんと「断捨離」!
12/ 4 (Fri)-
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料理のおいしい食べ方を考える『エイブのキッチンストーリー』
突然ですが、あなたは食事を食べるとき誰とどのように食べていますか? 一日に朝昼晩3食の食事をするとしよう。1回30分の食事を3回食べるだけでも一日に1時間30分は食事をしていることになる。家族や友人とゆっくり食べることもあるだろう。
11/24 (Tue)-
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いつまでも愛される戯曲『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』
突然ですが、シラノ・ド・ベルジュラックを知っていますか? 今年は知らない人もシラノ・ド・ベルジュラックに出会う絶好の機会なのです!
11/13 (Fri)-
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犯人はいい人です!『ストックホルム・ケース』
東京国際映画祭コンペティション部門にもノミネートされた『ブルーに生まれついて』のロバート・バドロー監督とその時主演だったイーサン・ホークが再タッグを組んだと聞いてとても嬉しく思った。製作には『ゲット・アウト』『アス』などのヒットメーカ、ジェイソン・ブラムが参加していて、製作陣にはウィル・スミスの会社の名前も連ねている。
11/ 5 (Thu)-
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希望の光を見届けて...『朝が来る』
2016年に出版された原作を読んだ当時の衝撃と何度も涙しながら読んだ記憶は忘れられない。その作品のメガホンをとってくれたのが大好きな監督のひとり、河瀬直美監督。どのように映像化されるのか期待で胸が高鳴りながらの鑑賞だった。
10/23 (Fri)-
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短編映画のその後の物語『おもかげ』
本作は15分の短編映画「Madre」のその後を描いた長編映画である。短編映画で描かれたのは本作の冒頭部分。離婚した夫と旅行中のはずの息子から、母親エレナの元へ「父親がどこへ行ったかわからずどこかわからない海岸にひとりぼっちでいる」という連絡から始まる。
10/22 (Thu)-