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5月30日(月)

  • 映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件 (講談社+α文庫)
  • 『映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件 (講談社+α文庫)』
    伊藤 彰彦
    講談社
    990円(税込)
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 雨。ぶーたれてる娘を車で駅まで送る。私はカッパを着て自転車で駅へ。

 週末に観た映画は「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」がめちゃくちゃ面白かったガイ・リッチー監督の「リボルバー」と、内澤旬子さんや宮田珠己さんから薦められたジム・ジャームッシュ監督の「ブロークンフラワーズ」。前者はまったくの不発、後者は大当たり。

 通勤読書は、伊藤彰彦『映画の奈落 完結編』(講談社+α文庫)。これが面白過ぎて、あやうく電車を乗り過ごしそうになる。

 午前中、三省堂書店さんとブックカバーの件で打ち合わせ。午後は、ワタル社長と打ち合わせ、後、営業。

 夜、第69回日本推理作家協会賞受賞式に伺う。長編部門で柚月裕子『狐狼の血』(KADOKAWA)が受賞したため、どうやらどなかたが気を利かせてお招きいただいたよう。第一ホテル東京。右を向いても左を向いてもまるで文庫の棚かと思うほど有名作家ばかり。柚月さんにご挨拶した後、場違い過ぎて一目散に退散。ちなみに『狐狼の血』の続編「狂犬の眼」が「野性時代」でスタートしている。

 帰宅後、息子のウイイレ。2対6の大敗。

5月22日(日)

  • 海街diary 7 あの日の青空 (フラワーコミックス)
  • 『海街diary 7 あの日の青空 (フラワーコミックス)』
    吉田 秋生
    小学館
    600円(税込)
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 午前中、昨日テレビで放映された「海街diary」を観る。
 もう少し引き算したほうがよかったような気がするけれど、やっぱり「海街diary」はすごい。すごいけれどつらい。

 ここに描かれているのは、日本人の暮らしそのもので、家族がいて、兄弟(姉妹)がいて、友達がいて、近所の人がいて、古い家に住み、四季があり、その時季の食があり、葬式があり、仏壇があり、海があり(埼玉にはないけど)、ケンカがあり、仲直りがあり、信頼があって、日々暮らしている。

 しかし、もう、そういう日本人らしい暮らしというのほとんど消え去ろうとしており、そういった交わりのなかで生きてくことは不可能なんだろうという羨望と絶望が、「海街diary」を見ていると生まれてくる。

 午後、ランニング12キロ。今日はキジを発見できず。
 某、プルーフを読了し、夕方、サッカーの練習を終えた息子を迎えに行く。

5月21日(土)

  • パイヌカジ 小さな鳩間島の豊かな暮らし (ヤマケイ文庫)
  • 『パイヌカジ 小さな鳩間島の豊かな暮らし (ヤマケイ文庫)』
    羽根田 治
    山と渓谷社
    968円(税込)
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  • ちろりん村顛末記 (ちくま文庫)
  • 『ちろりん村顛末記 (ちくま文庫)』
    敬一, 広岡
    筑摩書房
    902円(税込)
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  • オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA)
  • 『オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA)』
    藤井太洋
    早川書房
    748円(税込)
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  • オービタル・クラウド 下 (ハヤカワ文庫JA)
  • 『オービタル・クラウド 下 (ハヤカワ文庫JA)』
    藤井太洋
    早川書房
    748円(税込)
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 午前中、ランニング16キロ。見沼田んぼで初めてキジを見つける。感動。

 午後、松戸の良文堂書店さんを訪問し、高野秀行さんのサイン本作り&突撃サイン会を実施。二日前からTwitterで告知しただけなのに、十数人のお客さんがやってきて、缶ビール片手にサインする高野さんと交流を深める。高野さんが持ってきたシャンのせんべい納豆もみんなでボリボリ。相変わらず誰も『謎のアジア納豆』が新潮社刊だと気づいていない様子。

 サインの隙をついて、本も購入。

『パイヌカジ』羽根田治(ヤマケイ文庫)
『ちろりん村顛末記』広岡敬一(ちくま文庫)
『オービタル・クラウド(上・下)』藤井太洋(ハヤカワ文庫)

 千代田線に乗りたいという高野さんをJRの改札に連れていくと、「ここじゃダメだよ! 俺は千代田線なんだよ!」とくるりと身体の向きを変えてしまう。「いや、だから綾瀬駅から先はJRの常磐線なんですよ」と必死に説得するもなかなか改札をくぐろうとしない。納豆の起源は見つられても、路線は理解できないようだ。

5月20日(金)

 対談お越しの編集を済ませ、「ランチョン」にてリブロ矢部さんとランチ。駿河台下の「古瀬戸」に席を移し、3時間の雑談。至福。

 会社に戻って新刊のチラシを作っていると坪内祐三さんからお誘いの電話。白鵬対稀勢の里の一戦を「浅野屋」で観戦。浅野屋に集う他のお客さんもテレビに釘付け。稀勢の里が土俵に転がされると大きなため息。まるでサッカー観戦するイギリスのパブのようだ。

 その後、浜本も加わり、蕎麦屋で一杯。
 〆にそれぞれお蕎麦とシェアするよう天ぷら盛り合わせを頼んだが、天ぷらはほとんど浜本が食す。「本の雑誌」編集発行人の次なる目標は関取かもしれない。

5月19日(木)

  • 流木焚火の黄金時間 ナマコのからえばり (集英社文庫)
  • 『流木焚火の黄金時間 ナマコのからえばり (集英社文庫)』
    椎名 誠
    集英社
    572円(税込)
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 二日酔い。昨日のサッカーが完全に残っている。目をつぶれば宇賀神のゴールはもちろん、あきらめずに何度も相手に食らいつく槙野や遠藤の姿が蘇る。頭が割れてサッカーボールが出てきそうだ。

 頭を抱えつつ、椎名誠『流木焚火の黄金時間』(集英社文庫)読了。相変わらずこの〈ナマコのからえばり〉シリーズは面白い。

 昼、某社Iさんと「HINATA-YA」でチキンカレー。ご自身も本格的なカレーを作るそうなのだが、美味しいと喜んでいただく。

 午後、対談お越しをまとめつつ、夕方、丸ビルへ。過日、書店さんから『謎の独立国家ソマリランド』の大量の注文が届き、理由を伺ってみると、高野さんの講演会があるという。近くだし、空いてる日だし、販売の手伝いに行きましょうかと申し出るとたいそう喜ばれ、本日に至る。

 慶應丸の内シティキャンパス「夕学五十講」。これまで面識のなかった店長さんと名刺交換すると、うむー、どこかで見たことのあるお名前であり、拝見あるお姿。もしや...と伺うと、以前別の書店に勤務されていたという。ビンゴ!

 本もたくさん売れ、サイン会は長蛇の列。至福。

5月18日(水)

 以前より、その書評や書評に対する姿勢が大好きだった牧眞司さんのSFガイドブック『JUST IN SF』がついに搬入となる。

 本が売れない、読まれないと嘆いていても一冊も本が売れるわけはなく、ならば私にできることといえば、よきガイドブックを作ること。

 思い返せば私には、20代半ばから30代半ばまで、ほとんど新譜を聴かない音楽空白の10年というのがあったのだけれど、その空白を打開したのは一冊のガイドブックとの出会いだったのだ。

『rockin'on BEST DISC500 1963-2007』を手にしてから、過去の名作やらヒット作を聴きまくり、現在では月に2、3枚CDを購入し、それ以上ジャニスでレンタル、ラジオは一日中つけっぱなしで、音楽のある暮らしを取り戻したのであった。

 ならば本だって同じことで、よき羅針盤は豊穣な読書の世界の鍵になるはずと、『JUST IN SF』では身近な新作の紹介から、名作に繋がる次に読む本を記し、また詳細な著者プロフィールやひと目で分かるジャンルマークも付した。牧さんの情熱と知識のおかげで妥協なきガイドブックに仕上がる。

 あとがきにある「ぼくはソムリエになりたいのではなく酒飲みでいたいのだ。『お客様ならきっとこの本がお気に召しますよ』とか『この本はいまが読みごろですよ』とか澄ました顔でオススメするのではなく、自分が好きな本を浴びるほど読んで『うおーっ』とか『どひゃーっ』とか『すげーっ』とか騒いでいたい。そうやって楽しんでいるところへ、ほかの本読みが『おっ、何読んでるの?』とのぞきにくる。そんな書評が理想だ」にシビれる。

 午前中会議後、上京された新潟の文信堂Hさんと「満留賀静邨」で天ざる。「クラインブルー」に席を移して雑談。

 午後、半休。
 息子が浦和レッズの前座試合「ボーイズマッチ」に出場し、埼玉スタジアムのピッチに立つ。感無量。

 しかしそんな興奮も宇賀神のシュートでもクロスでもなく、実はトラップだったんじゃないかと思われるスーパーゴールで吹き飛ぶ。やっぱり私は、息子のサッカーよりも浦和レッズが好きだ。

 それにしてもアジア・チャンピオンズ・リーグは面白い。Jリーグは2ステージ制とか見掛け倒しの客寄せ(実際には寄って来なかったけど)をするより、このレベルにリーグを底上げることを考えたほうがずっといい。

5月17日(火)

  • ロッキング・オン天国
  • 『ロッキング・オン天国』
    増井修
    イースト・プレス
    1,650円(税込)
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 雨。6時半に娘を車で駅まで送っていく。
 なんでこんなに早く登校するんだと訊ねると、体育祭の準備だとか。

「パパのときもそうだった?」
「体育祭なんて行ったことないからなあ」

 娘が母校に入学してからずっとこんなやりとりが続いている。

「文化祭なにやった?」
「行ったことないよ」
「校歌ってなんで2番と3番歌わないの?」
「パパのとき校歌なんてなかったからなあ」
「テスト勉強ってどうした?」
「全部カンニングだからなあ」

 父親面同様、先輩面もできなくなってきた。

 私を送ってくれる人はおらず、カッパを着、水しぶきをあげながら駅まで自転車を走らせる。

 9時30分出社。
 午前中、テープお越し。

 正午、鹿島戦の優先入場抽選を確かめるとなんと一桁! 今年の運を使い果たしたか。

 午後、営業。丸善津田沼店の沢田さんを訪問すると、「もうすぐ超面白い本がでるよ!」と告知ポスターを指差される。

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』デボラ・インストール(小学館文庫)。

 なんだかとってもかわいいロボットが出てくるそうで、読み終わるのがもったいなく、ずっと読んでいたかったと。来月の「本の雑誌」でも新刊めったくたガイドで激推し書評を書かれたそうで、発売が待ち遠しい。

 増井修『ロッキング・オン天国』(イスート・プレス)を購入。雨があがったので急いで帰る。ランニング7キロ。身体が軽く、自然とスピードが上がっていく。

 ランニング後、ナイター練習の息子を迎えにいき、ウイイレをやってから(1対0で勝利)、就寝。

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5月16日(月)

  • 謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉
  • 『謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉』
    秀行, 高野
    新潮社
    1,980円(税込)
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  • フットボール批評issue11
  • 『フットボール批評issue11』
    カンゼン
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 9時出社。手書き原稿を一心不乱に打ち込む。

 取次店さんに電話を入れ、今月の新刊、牧眞司さんの『JUST IN SF』を部決。12時過ぎ、吉祥寺のパルコブックセンターさんへ〈吉野朔実劇場〉シリーズ各巻を直納する。こちらのお店では吉野さんのトークイベントを開催していただいたこともあり、なんだか涙があふれてくる。

 中央線に揺られ、会社に戻っていると事務の浜田からメール。大変お世話になっていた取次店の方が異動されるそうで折り返しTELするようとのこと。電話するよりも直接伺った方が早いので、早速訪問。本人から話を伺う。寂しいかぎり。

 3時に高野秀行さんと三省堂書店神保町本店にて待ち合わせ。数日前、担当のUさんと雑談していたときに高野さんの新刊『謎のアジア納豆』にサインしていただきたいとの話になり、ちょうど高野さんと会う予定のあった本日サイン本作りにやってきたというわけ。誰も気づいていないのだが、『謎のアジア納豆』は新潮社の本。

 4時、宮田珠己さんと合流し、本の雑誌社社内にてドリトル先生対談。「本の雑誌」7月号掲載の予定。

 6時、対談終了した後、「放心亭」で食事。気づくといつも宮田さんの一向に書き上がらない小説について話し合っている。

「フットボール批評 issue11」を読みながら帰宅。まさかファン・デル・サールの売り込みを横山謙三が断っていたとは。

 宮田珠己さんの「たのしい47都道府県 正直観光案内」第4回宮崎県を更新

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