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8月28日(水)

  • 本の背中 本の顔 (河出文庫)
  • 『本の背中 本の顔 (河出文庫)』
    出久根 達郎
    河出書房新社
    792円(税込)
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  • 島田清次郎 誰にも愛されなかった男
  • 『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』
    風野 春樹
    本の雑誌社
    9,800円(税込)
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 通勤読書は、出久根達郎『本の背中、本の顔』(河出文庫)。

 書店店頭に並んだばかりの『島田清次郎 誰にも愛されたかった男』の追加注文がバタバタと入り、『謎の独立国家ソマリランド』とともに直納に勤しむ。かたや500グラム、一方は680グラム、どうして売れる本は重いんだろうか。

 青土社のエノ君が来て、『サッカーデイズ』を買って行く。
「僕じゃないですよ母が欲しいっていうんですよ。だから仕方なくですよ。あの、ここにサインしてくれませんか? エノモトシュウヘイです」
 素直になりなさい。

 埼玉を営業。担当者さんに会えたり、会えなかったり。
 自宅まですぐそこ、というところに来たが、夜、飲み会があるので直帰できず。
 蕎麦と酒。

8月27日(火)

 今日もすぐそこに秋の気配を感じる。「もういいかい」「まあだだよ」
 通勤読書は、出久根達郎『犬と歩けば』(新潮社)。

 11時、高田馬場の芳林堂書店さんへ。イベントの打ち合わせ。実現したら即満員御礼になるであろうイベントで、セッティグしているこちらもわくわくしてくる。

 その後、中央線を営業。
 どちらの書店さんもベストテンランキングは、池井戸フィーバーが続いている。百田尚樹、池井戸潤、東野圭吾の三人で文芸・文庫の売上の何%を占めるのだろうか。

8月26日(月)

  • 日本全国もっと津々うりゃうりゃ
  • 『日本全国もっと津々うりゃうりゃ』
    宮田 珠己
    廣済堂出版
    1,650円(税込)
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 すぐそこに秋がやってきているような気がするが、恥ずかしがり屋の秋は声をかけると逃げていくので、黙っておく。もう二度と真夏には戻ってきてほしくない。

 夏休み明けの出社。といってもいまや休み中もスマホでメールを確認しているので、久しぶりの出社感もなく、仕事もそれほど貯まっておらず。デスクワークを片付け、宮田珠己さんのところへ撮影に向かう。

「本の雑誌」9月号から「黒豚革の手帖・番外編」として内澤旬子さんに服装選びが残念な感じの男性のコーディネートをお願いしているのだが、その第1回目が宮田さんで、宮田さんの残念な服装と、内澤さんがコーディネートした後の「大改造!!劇的タマキング・ビフォーアフター」を写す必要があるのだ。

 撮影はすぐ済み、その後、宮田さんの『日本全国もっと津々うりゃうりゃ』(廣済堂出版)と私の『サッカーデイズ』(白水社)出版記念で行うトークイベント「サッカーバカと旅行バカ、こんな親でいいのかな対談」の打ち合わせ。担当する作家さんと並列で自分の名前がならぶなんてお前何様感たっぷりなのだが、いたしかたなし。打ち合わせ中に、宮田さんの奥さんから「こんな親じゃダメ」光線が飛んできたので、スットコランドを退散。営業。

 夕方、会社に戻ったところで、銀座・教文館のYさんから「ちょっと覗きに来ない」と電話が入り、すぐさま銀座へ。そこで見たのは、お店の一等地を使った『サッカーデイズ』のとんでもない展開に。

ginza.JPG


 そういえばYさんから『サッカーデイズ』に合わせて本の選書をしてほしいと言われており、家族小説にしぼって「家族も案外悪くない」というリストを提出していたのだ。

 それにしてもこの展開......。フェアだけでなく小冊子まで作っていただいているではないか。
 しかし本が売れなければお店の売上に直結するわけで、とてもその好意に報いるだけ私の本が売れるとは思えない。
 ううう。あの一角を買い上げるしかないか。坪いくらくらいだろうか。確か日本で一番土地の公示価格が高いところだった気がする......。

8月19日(月)

 ひと月ほど前、編集右腕のカネコッチとともに突然椎名さんに呼び出され、何かと思ったら雑誌を作ると言い出され、気づいたら営業部長となっていた(カネコッチは丁稚らしい)。

 発売時期は秋、特集は「のんだビールが5万本!」、ツイッターアカウントは「@shiina_mag」......。それ以外何も知らせておらず、いったいどうやって営業すればいいんだろうか。

 しかも椎名誠無責任編集長の周りにいるのは、私やカネコッチのような文化系男子と違い、身体は私の2倍、3倍大きく、暴力的指向が極端に強く、言葉では何も通じず常にげんこつで会話している雑魚釣り隊の面々である。果たして雑誌は本当に出るのか、いや私の身体は持つのか......。

 というわけで通勤読書は、読み逃していた『そらをみてますないてます』椎名誠(文藝春秋)。

★   ★   ★

 早朝の人身事故の影響により京浜東北線は進んだり止まったりを繰り返し、会社に着いたら9時半だったのだが、いつも出社の早い事務の浜田は来ておらず。しばらくするとメールが届き、なんと帯状疱疹で病院へ行っているとか。

 ううう、帯状疱疹......。言葉にできないくらい痛いんだよな。俺も高校生のときに三日三晩寝ずにドラゴンクエストをやっていたらいきなり背中が真っ赤になって泣き叫ぶほど苦しんだんだ。

 それにしてもこれまで元気だった事務の浜田は今年いろんな病気になっている。胃痛に眼病に腰痛に帯状疱疹......。確か年齢は男の本厄の歳だったはず。もしかして男だったのだろうか......と考えているとその浜田が涙目で病院から出社して来た。

「酒、飲んじゃダメなんですって......」

★   ★   ★

 予想していたとはいえ、お盆休み明けで、『謎の独立国家ソマリランド』の直納依頼が殺到。午前中から直納カート「ソマリランド1号」「ソマリランド2号」を引っ張り出し、助っ人学生ともにピストン輸送。重い!暑い!

 ちなみにその『謎の独立国家ソマリランド』は、第12回新潮ドキュメント賞候補に選ばれ、8月29日に選考会が開かれるそうだ。また寺社仏閣巡りをせねばならない。

★   ★   ★

 明日から夏休み。
 別に取らなくてもいいだけれど、ゴールデンウィークも休んでいないので、さすがに家族の視線が厳しく。

『サッカーデイズ』(白水社)は明日搬入。

8月16日(金)

  • 日本全国もっと津々うりゃうりゃ
  • 『日本全国もっと津々うりゃうりゃ』
    宮田 珠己
    廣済堂出版
    1,650円(税込)
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 通勤読書は宮田珠己さんの新刊『日本全国もっと津々うりゃうりゃ』(廣済堂出版)。奄美大島の回では高野秀行さんとともに自分が登場しているのだが、いまだ2泊3日で先に帰り、最高の珊瑚礁スポットを見逃してしまったことを後悔している。シュノーケルしたい。

 そして宮田さんにおんぶに抱っこにコバンザメ、ガンダムとホワイトベースの抱き合わせ商法よろしく、9月14日(土)にMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店にて「サッカーバカと旅行バカ、こんな親でいいのかな対談」というイベントさせていただくことになった。当日は同時刻キックオフで国立競技場にて浦和レッズ対FC東京戦があり、サッカーバカの私は......。

 午前中、ブックサービスで受け付けていた『サッカーデイズ』のサイン本を作りにいく。私のサインが欲しい人などそうそういるわけがなく、すぐに終了。発売はいよいよ来週だ。

 午後、『謎の独立国家ソマリランド』の帯を付け替えつつ、9月発売の『西荻窪の古本屋さん』の営業に勤しむ。

 夜、角川グループパブリッシング改め、KADOKAWAのブルドーザー営業マンHさんが「落書き見に来ました!」と元気よくやってくる。それ本の雑誌社じゃなくて、小学館だから。

「まあ、いいじゃないっすか。通風によく効く生ビールとカレーを食べにいきましょう!」と腕を抱えられ、無理矢理神田のカレー居酒屋「トプカ」へ連れて行かれる。

8月15日(木)

 いつものんびりとした古本の街・神保町が、この日ばかりは厳戒態勢の物々しい街となる。朝から武装した機動隊が四つ辻ごとにバリケードを設置している。

 そのバリケードをすり抜けて、本日で退職されると連絡のあった書店員さんにご挨拶へ伺う。淋しいけれど最後にお礼を言えてよかった。

8月14日(水)

 電車、空いている。いつもこれくらいだったら一日三回通勤してもいい。
 神保町の書店さんや古本屋さんは、お盆休みにはいつもと違うお客さんが来るそうで、それなりの人手で賑わっている。

 電話、FAXともにほとんど鳴らず、書店さん向けの注文書とDM作りに集中。
 夕方になって高田馬場のH書店さんから『謎の独立国家ソマリランド』の注文が入ったので、すぐさま持っていく。速いですねえと驚かれる。いやはや平台でぼこっと凹んだ自社本を見ることほど嬉しいことはない。

 定時で会社をで、古本屋の外売りワゴンで『ニューギニア高地人』本多勝一(講談社文庫/100円)と新刊書店で『蔵書の苦しみ』岡崎武志(光文社新書)を購入。

 帰宅後、ランニング8キロ。

8月13日(火)

 電車。いくらか空いているような空いていないような。本日より取次店さんは三日間の夏期休暇に。

 営業に出かけようとすると事務の浜田が
「今日は涼しいから楽ですね」
 と言ってくる。
 確かに昨日よりは数度気温が下がったものの、外は34度......。どこが涼しいのだ。

 書店さんを訪問し、『謎の独立国家ソマリランド』の帯を巻き替える。先日「講談社ノンフィクション賞」受賞帯にしたばかりなのだが、そののち「週刊文春」のR-40本屋さん大賞エッセイノンフィクション部門で1位に選んでいただいたため、本の雑誌社初の1位(&受賞)帯を製作したのだった。編集右腕カネコッチに作ってもらったPOPやパネルも立てて歩く。

IMG_4141.JPG



 夜、定時で会社をでる。
 日頃はJRの御茶ノ水駅を利用しているのだが、気分転換が必要なときは秋葉原駅まで歩く。靖国通り沿いにある「安い本」と看板を掲げた古本屋さんの「雑学」という店頭棚で、『珍獣図鑑』中川志郎(新潮文庫/210円)や『日本全国 市場の興奮』オフロード編(講談社文庫/157円)なんて本を買って、電車のなかでペラペラするのが好きなのだ。

 本日は田山幸憲『パチプロけもの道』(幻冬舎アウトロー文庫/157円)を購入。実家にあるような気がするが、ままよ。

 田山さんは私が朝からパチンコ屋に並んでいたプータロー時代の憧れの人だった。「本の雑誌」7月号で会いたい人特集をやったけれど、もし願いが叶うなら田山さんと会ってみたかった(田山さんがねぐらとしていた池袋のパチンコ屋さんに見に行ったことがあるけど)。そして田山さんの本を作りたかった。

8月12日(月)

  • 島田清次郎 誰にも愛されなかった男
  • 『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』
    風野 春樹
    本の雑誌社
    9,800円(税込)
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 相変わらずの爆暑。
 こんななか出社しただけでも偉いと思うのだが、本日は8月の新刊『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』の見本提出日。1冊500グラム、計6キロの見本を抱え、取次店さん廻り。
 お盆なのでもう少し空いているかと思ったが、いつもとそれほど変わらなかった。

 昼、神楽坂下の黒兵衛にて塩ワンタンめん。なぜこの暑さのなかラーメンを食べているのかは、食べている本人にもわからず。でもうまい。

 いったん会社に戻るが、もう二度と出歩くことができず、デスクワークに勤しむ。

 夜、元助っ人の横溝青年がやってくる。会ったのは3年ぶりくらい。魚百に繰り出し、ビールで乾杯するはずが、「あの、オレ、いきなりハイボールとかでいいっすか?」「もしかして?」「えっ? もしかして杉江さんも?」というわけで、通風と尿酸値の話題で盛り上がる。
 まさか助っ人学生と病気の話題で酒を飲む日がやってくるとは思いもしなかった。

8月9日(金)

 朝、白水社に立ち寄り、出来たばかりの『サッカーデイズ』著者見本をいただく。

 色校で心配していたカバーも色鮮やかに出、袖から表1、背、表4にまたがる内巻敦子さんのイラストが素晴らしい。最も尊敬するなでしこジャパンの安藤梢選手にも推薦いただき、幸せな本だ。

 しばし駿河台のドトールにて感慨に浸る。

 しかし浸っていられたのは出社までで、会社に顔を出せば、直納が待っていた。
 講談社ノンフィクション賞受賞、R-40本屋さん大賞エッセイノンフィクション部門1位獲得以来、『謎の独立国家ソマリランド』の売れ行きが再点火しているのだった。新たに購入した超頑丈な直納カートに積み込み、汗を吹き出しながら直納。

「本の雑誌」9月号が出来上がってくる。校正・校閲という地味な特集...と思いきや、ネット書店の予約が大変なことになっており、急ぎの追加の注文が飛んでくる。

 直納の最後は、松戸の良文堂書店さんへ。直帰。

7月30日(火)『謎の独立国家ソマリランド』講談社ノンフィクション賞受賞!

  • 謎の独立国家ソマリランド
  • 『謎の独立国家ソマリランド』
    高野 秀行
    本の雑誌社
    2,420円(税込)
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 17時32分、胸ポケットに入れていたスマホがぶるぶると震えだした。画面には「高野秀行」と文字が浮かんでいた。

 高野さんは7月はじめから奥さんと犬を連れてタイを旅行しており、数日前にかつて日本語講師をされていたチェンマイに宿をとったと連絡があった。

 通話ボタンを押す前に深呼吸を何度かした。なぜならその電話は「講談社ノンフィクション賞」を受賞したか、しないかを知らせる電話のはずだったからだ。

 候補に選ばれたと聞いた瞬間から、私は高野さんが受賞することを祈り続けてきた。営業中に見つけた寺社仏閣にはすべて飛び込み、先週末は毎年浦和レッズが優勝を祈願する浦和の由緒正しい神社、調神社まで自転車を走らせ、大枚を賽銭箱に投げ入れた。

 スマホの画面をみながら、頭のなかで何度もリハーサルを繰り返してきた台本を思いだす。

高野「(興奮気味に)獲ったよ」
杉江「(わかっているのにとぼけた様子で)えっ? 何をですか?」
高野「講談社ノンフィクション賞を受賞したんだよ、杉江さん!」
杉江「おめでとうございます。(号泣)」

 あるいは

高野「(小さな声で)杉江さん、ごめんダメだった」
杉江「えっ......、いや関係ないっす。本は素晴らしいわけですから」

 電話は揺れ続けている。早く出なくては切れてしまうかもしれない。最後にもう一度深呼吸し、「獲ったよ」であることを祈りながら、通話のボタンを押した。

「聞いた?」

 えっ?! それは私の台本にはないセリフだった。
 まるで今晩どこかで飲み会があり、その予定が私のところに伝わっているか確認するような口ぶりだ。

「うん? 聞いてない?」

 高野さんの言葉に私は混乱した。いったい何のことを言っているんだろうか。

 なぜならこれまで候補作に選ばれた際も選考会のスケジュールに関しても一切賞を運営する団体から本の雑誌社には連絡はなく、すべて高野さんを通して伺っていたのだ。

 もし高野さんが「聞いた?」と確認してきていることが、賞の受賞・未受賞に関してのことならば、私が聞いているわけがないのである。だからこそ、今日はずっと高野さんからの電話を待っていたわけだし、何度も頭のなかでリハーサルしてきたのだ。

「何も聞いてないっすよ」

 若干不機嫌になりながら答えると、通信状態の悪い電話の向こうから高野さんの小さな声が聞こえてきた。

「あっ、そうか。あのね、今、講談社ノンフィクション賞受賞したって連絡があったよ」

 リハーサルで考えていた言葉は何も出てこなかった。
 ただただ「おめでとうございます」と「よかったですね」を繰り返していた。

★    ★    ★

 高野さんとの電話を切ってから、高野さんがここにいないことを寂しく思った。

 一緒に連絡を待ち、受賞したならば、まるでロスタイムに決勝ゴールを決めたサッカー選手にみんなが飛びつき緑の芝生に転がるように、私は高野さんに飛びつきたかった。両手を突き上げ、雄叫びをあげ、肩を組んで勝利の歌を歌いたかった。

 それなのに高野さんは遥か遠くチェンマイにいた。
 そこが朝なのか夜なのかも私にはわからなかった。タイのどの辺にあるのかも知らなかった。でも高野さんといたかった。

 この喜びをどうしたらいいのかと思っていたら、机の上には一週間前から作っていた受賞した場合にやるべきリストが置いてあった。

・ネットへの情報アップ
・書店さんへのメール
・注文書のFAX送信
・帯の付け替え
・関係者への連絡
 ......

 12個ほどやるべき仕事があった。もし私が普通の編集者だったならば作家と喜びを分かち合えばいいのだけれど、私の本職は営業だった。営業マンは受賞が決まると同時に動き出す仕事がいっぱいあった。私は高野さんの本を一冊でも多く売らなければならないのだ。一人でも多く高野さんのファンを増やしたい。

 それから各書店さんの仕入れの方々にメールを出し、数百冊の本の帯を受賞帯に付け替えた。受賞帯は一か八か刷っておいた。そしていつも本の雑誌社の本を大切に売っていただいている書店さん一軒一軒に、注文書のFAXを送った。注文書には「受賞! 講談社ノンフィクション賞」と大きく書いた。

 夢が現実になっていった。

★     ★    ★

 結局仕事は終わらず、パソコンを持ち帰った。家の明かりは消えており、家族はとっくに眠りについていた。

 ひとまず夕飯を食べようと冷蔵庫を開けたらバースディケーキがあった。もう日付をこえてしまっていたけれど、その日は私の42回めの誕生日だった。

 おそらく息子や娘は、このケーキを早く食べたくて大騒ぎしていただろう。しかし妻から「パパが帰ってきてからでしょう」と何度も諌められ、我慢したのだ。

 食べればよかったのに......と思った瞬間、涙があふれて止まらなくなった。

 高野さん、おめでとうございます。
 そして、ありがとうございました。

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