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12月28日(金)

 きれいにまとめてみたが、仕事納められず、出社。

「めんめんかめぞう」を食し、かめ納め。

12月27日(木)

 2012年、仕事納め。

 この日記も含め、来年は諸々立て直しを計りたいと思うのだが、どうやったら立て直せるのか見当がつかない。何もかも袋小路。「大改造!!劇的ビフォーアフター」のように「逆転一発の匠」などが目の前に現れ、「まあ、なんということでしょう」と我が人生を立て直してもらえないだろうか。

 なんてことを考えていたら、木内昇さんの初エッセイ集『みちくさ道中』(平凡社)の冒頭に、このような記述を発見する。

「年始より年末のほうが好きである。有り体に言えば、「新たな一年をはじめるぞ」と意気込むよりも、「ここらで一旦リセットしよう」と生き抜くほうが、据わりがいいのだ。(略)「今年の抱負」「目標」「計画」──新年になるとほうぼうで目にする文言も、なかなかに気が重い。というのも私の場合、これまでの人生で一遍たりとも計画通りに、思い通りに事が運んだためしがないからである。」

 うーん、まさにそんな感じだ。
 私も年始よりも年末のほうが好きだし、リセットにいたっては毎晩している。
 しかし目を覚ますとリセットされておらず、昨日の続きの今日がまた繰り広げられ、計画通りにいかない毎日が続いている。

 41歳、本厄。
 父と義母が長期入院し、大切な人とお別れもした。

 それだけみると厄年のせいに思えるが、娘ととに関東大会に出場できたことは人生で最もうれしいことのひとつであったし、宮田珠己さんに連れていってもらった奄美大島でのシュノーケリングは価値観が変わるほどの衝撃を受けた。

 厄年だろうとなかろうと「いいこと」もあれば「悪いこと」もあるのだろう。
 できれば「いいこと」が「悪いこと」よりも、ひとつでも多い日々を送りたい。

 皆様、一年間ありがとうございました。


12月26日(水)

  • 水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)
  • 『水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)』
    北方 謙三
    集英社
    660円(税込)
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    honto

 年末になると北方謙三が読みたくなる。年に一度くらいケンゾー成分を身体が欲するのであろう。週末より『水滸伝』(集英社文庫)を読み始める。1巻からして猛烈に熱い。

 あちこちの書店さんへ年末のご挨拶。
 とある売り場でお気に入りの絵本エッセイシリーズ<よこしまくん>の待望の新刊を発見。購入。『よこしまくんのよこしまな毎日』大森裕子著(主婦と生活社)。

 夜、会社の忘年会。昼のランチが580円で、ご飯及び飲み物やフルーツ食べ放題の中華料理の「川府」へ。昨年まで忘年会をしていた笹塚の最強中華料理屋「鍋家」には遠く及ばず。鍋家に行きたい。

12月25日(火)

 白水社WEBで連載中の「蹴球暮らし」第34回「銅メダル」を更新。

 編集右腕カネコッチとともに高野秀行さんと打ち合わせ。

 2月刊行予定の『謎の独立国家ソマリランド』の編集作業が佳境を迎えており、もろもろの課題を詰めていく。今作は地図や系統図、口絵など図版が多く、お互いに知恵を出し合い、より良いものへブラッシュアップしていっているのだが、本当に素晴らしい本になりそうで、ワクワクしてくる。

 大変だけど、本を作り、売ることはやっぱり楽しい。

12月20日(木)

 朝、あちこちに電話、メール。
 そして昨夜、忘年会で浦和レッズが選手の取り過ぎだと批判していたF社のTさんにそうではないという証拠をFAX。

 昼、神保町S書店のUさんがお弁当を持ってやってくる。
 最近顔を出さない青土社のE君の話で盛り上がり、来年「本の雑誌別冊 榎本の雑誌」を作ろうと話す。

 午後、営業にでかける。銀座の教文館さんでは、『Q&A Diary : My 5 Years』(海と月社)という日記帳が売れていた。5年分の同月同日が1ページに書き込めるのと、1ページずつ、ちょっとした質問があって、それに毎年答え、変化を楽しむのが人気らしい。アイディア。

 夜、家族のクリスマスプレゼントを購入しに行く。娘と息子には図書カード。私は『角川類語新辞典』(角川書店)で内需拡大。妻にはベンチコート。これが高くて目玉が飛び出る。

 帰宅後、ランニング、7キロ。

12月19日(木)

 今月28日で閉店となってしまう、流水書房青山店を訪問。
「横丁カフェ」でもお世話になっている秋葉さんが作る、宝物のように本が並ぶ棚をじっくり眺める。私はこの棚と秋葉さんから多くのことを学んだ。いや学んでいるところだった。

 夜、とある書店員さんを中心とした忘年会。来年から担当ジャンルが変わるとのことでこちらでもお別れ。

12月18日(火)

 通勤読書は、3月刊行予定の大竹聡著『ギャンブル酒放浪記』のゲラを赤ペン片手に読む。100円、200円の馬券や車券を手に、本気で必死になっている大竹さんのしょぼくさとしみったれた感じがたまらない。

 高野秀行さんからの依頼で300ページ以上ある国連のレポートを印刷後、市ヶ谷にある日本図書普及さんに年末のご挨拶。長年、書店を廻り図書カードの営業をされているIさんと意外な人とのつながりが判明し、改めて飲む約束をする。

 いったん会社に戻り、「本の雑誌」1月号を持って、直納に出かける。
 丸善丸の内本店とBooksアイ根津店。

 その後、千駄木の往来堂書店さんを訪問するが、店長のOさんは神田村(神保町の取次店街)に仕入れにいったところと言われる。おお、神保町で網を張っていれば会えたではないか。

 しかし平台で面白そうな本を発見。

『馬語手帖』河田桟(カディブックス)

 馬とのボディーランゲージを綴った本らしくとてもかわいい。そして後に調べるとこのカディブックス、与那国島にある「簡素に、身軽に、ゆるやかに、力を使わず、お金を使わず、常に変わり続けることを方針とする出版社だそうだ。
 いつか一度行ってみたいな。

 上野を営業後、京浜東北線埼玉営業。
 しかし荷物とお客さんの多さにどうみても営業は邪魔になる感じで、ザリガニ化。

 夜、直帰し、8キロランニング後、娘のナイター練習のお手伝い。
 中学生に混じってボールを蹴る。

12月17日(月)

  • 冬の本
  • 『冬の本』
    天野祐吉,佐伯一麦,柴田元幸,山田太一,武田花,友部正人,町田康,安西水丸,穂村弘,堀込高樹,ホンマタカシ,万城目学,又吉直樹,いがらしみきお,池内 紀,伊藤比呂美,角田光代,片岡義男,北村薫,久住昌之,装丁:和田誠
    夏葉社
    1,870円(税込)
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 白水社のホームページで連載中の「蹴球暮らし」第33回「スタジアム」更新

 また夏葉社の単行本『冬の本』に「誕生」という文章を掲載していただきました。

 2月刊の『謎の独立国家ソマリランド』の帯コピーを、その著者である高野秀行さんと居候中の編集右腕カネコッチと考え続ける。理詰めで考えつつも閃きを待つというこの作業は、本作りの最後の楽しさなのであるが、閃きが降りて来ないと苦しい。午後いっぱい使って、高野さんの閃きによってどうにかメインコピーが決まる。残りは宿題。

 友人は、この日誌の更新のない日は、仕事をせずにサボっているから書けないのだろうと推測してきたが、そういうわけではない。まあ決して忙しいわけでもないのだが......。

 通勤読書は、先日テレビで見てすっかりファンになってしまった登山家・竹内洋岳氏の聞き書き集『初代竹内洋岳に聞く』塩野米松(アートオフィスプリズム)。日本人初の8000メートル峰14座登頂をしているにも関わらず、とてもひょうひょうとした受け答えをしていたテレビそのままの味わいが、この本からも伝わってきてうれしい。残念なのは校正がきちんとできていないところ。

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