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7月24日(火)

  • 松本山雅劇場 松田直樹がいたシーズン
  • 『松本山雅劇場 松田直樹がいたシーズン』
    宇都宮徹壱
    カンゼン
    1,760円(税込)
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 やっぱり夏がやってきてしまった。

 午前中、免許の更新のため地元の警察署へ。一回めの講習に間に合わず、ゴールド免許なのに随分と時間をくってしまう。

 その間、発売を楽しみにしていた『松本山雅劇場 松田直樹がいたシーズン』宇都宮徹壱(カンゼン)を読了。我が浦和レッズ"ワンダーランド"をはじめ、日本中に様々な熱狂が生まれていることが嬉しいけれど、2009年の天皇杯2回戦で松本山雅が負けた悔しさは忘れていない。

 暑さに負けたわけではなく溜まっていたデスクワークを処理するため一日中社内にこもる。
 DMの作成と先日奄美大島で収録した高野秀行さんと宮田珠己さんの対談のテープ起こしなど。

 昼食は「丸香」のかけうどん+かしわ天(560円)。丸香のうどんを食べると神保町に引っ越してきて良かったと心底思う。

7月23日(月)

  • ガタスタ屋の矜持 寄らば斬る篇
  • 『ガタスタ屋の矜持 寄らば斬る篇』
    豊崎 由美
    本の雑誌社
    1,760円(税込)
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  • はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある
  • 『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』
    宮田 珠己
    本の雑誌社
    2,580円(税込)
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  • イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実
  • 『イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実』
    根深 誠
    山と渓谷社
    2,200円(税込)
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    honto
 沢野ひとし画文集『クロ日記』搬入。
「本の雑誌」の目次の下に長年イラストと短文で綴られてきた愛犬日記。私は猫しか飼ったことがないのだが、動物とともに暮らすということのすべての想いがこの1冊に詰まっていると思う。

 涼しかったのも週末の三日かぎりで、また暑くなっているのは気のせいか。

 出社前に会社の並びにある自家焙煎のコーヒーショップ「豆香房」でアイスコーヒー。Sサイズ200円。今までアイスコーヒーを美味しいと思ったことがなかったのだが、「豆香房」のアイスコーヒーは癖になるほど美味い。

 先週の豊崎由美著『ガタスタ屋の矜持 寄らば斬る!篇』に続いて宮田珠己著『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』が、朝日新聞書評欄「おすすめ」コーナーで紹介されたらの注文書を作成。

 昼食はセブンイレブンのフレッシュサラダとおにぎり。午後、銀座などを営業。教文館さんの2階がリニューアルされており、とてもすっきりした印象を受ける。

 夜、松戸の良文堂書店さんの恒例フェア「出版営業マン・ガチンコ対決」の商品説明飲み会に参加。各社の営業マンがとっても元気で営業魂に溢れており、ここ最近ずっとスランプが続いている私も今一度頑張らねばならないと決意する。

 帰りの電車のなかで『イエティ』根深誠(山と渓谷社)を読む。高野秀行さんや角幡唯介さんとは異なるスタンスの雪男本。

7月20日(金)

 白水社WEB連載「蹴球暮らし」第29回「クリアミス」を更新。

★   ★   ★

 あと一日猛暑が続いたら異動願いもしくは退職願いを提出しようと考えていたのだが、ぎりぎりのところで涼しくなった。このまま秋を迎えて欲しいのだが、おそらくまだ夏も始まっていないのだろう。

 通勤読書は『探検家、36歳の憂鬱』角幡唯介(文藝春秋)。探検するということのなかから生まれる憂鬱、またそれを書くということのなかからにじみ出てくる憂鬱、また探検家が合コンやキャバクラでモテないということの憂鬱などの中編エッセイ集。著者本人のブログのタイトルにもなっている「ホトケの顔も三度まで」の雪崩で埋もれ死にかけたときのエピソードを綴った「雪崩に遭うということ」が秀逸。ただしこれが秀逸というところにまた探検家の憂鬱の生まれてしまうのだろう。

 涼しかったので外回りが捗る。

7月13日(金)

 通勤読書は、一昨日、良文堂松戸店で買った『月と雷』角田光代(中央公論新社)。

 ここ最近の作品に比べると240ページと薄い小説だなと何げなく読み出したのが大間違い。ページの厚さなど関係なく、ものすごく奥行きの深い小説世界に一気に引き込まれ、読み終えるまでとても本を置くことができなかった。

 まるで捨て猫のようにそのときそのときいろんな人に拾われて生活していた直子と息子の智。その世間のまったく埒外な暮らしをするふたりが身を寄せた先で、人生を狂わされてしまった泰子。時が経ちバラバラに暮らしていた三人がまた出会うところから始まるこの物語は、世の中のふつうとまったく異なる行動をとる登場人物によって、いったいどこへ着地するのか心配になるほどだったが、読み進むうちにそれが生きるという意味を問う大きなテーマであることに気づかされ、最後の一行まで読んだ時、角田光代の考える生きるという意味に共感せずにはいられないのだった。

 何度も書いてきたような気がするが、恐るべし角田光代。そして直子という登場人物の見事さよ。

7月12日(木)

 奄美大島のオジイやオバアは日中働かないと言っていた。朝のうちは日影になる西側で、夕方はその反対で農作業をし、一番暑くなる昼間は、家のなかでのんびり暮らしているという。

 猛烈な暑さと湿気のなかハンカチをくしゃくしゃにしながら一軒一軒本屋さんを廻って営業していた私は、その奄美の人の言葉を唐突に思い出していた。思い出したところでどうにもならないんだけれど。

 ふらふらになって営業を終え、会社に戻ると高野秀行さんから電話。
 新刊『またやぶけの夕焼け』(集英社)の販促で神保町にいるというので、そのまま飲みに行く。神保町は便利だ。

 そうして居酒屋のカウンターに座り、生ビールの泡をくちびるに付けながらお互いの口から出るのは奄美大島で過ごした夢のような時間のことばかりだった。それはまさに『またやぶけの夕焼け』で描かれる少年時代のあのキラキラと輝く時間とまるで一緒なのだった。

7月11日(水)

 引っ越し記念で本の雑誌社フェアをやってますとメールをいただいた江戸川区の東部図書館を訪問。担当の方が「出版社の人が聞いたら複雑かもしれませんが」と苦笑いしながら報告されるにはとっても貸出率がいいらしい。確かに複雑な気分でそれを聞く。

 その後、総武線と常磐線を営業するが担当者さんがお休みだったりしてなかなか会えずにいたのだが、松戸の良文堂書店でやっと担当のTさんと会え、たまっていた何かをぶつけるように一時間以上も話し込んでしまったことに気づいたのはお店を後にして時計を見た時だった。

 棚の位置や並べ方や見せ方そして品揃えを見直していったところ、あるジャンルの本がとても動き出したという話に聞き入る。ある本が面白いと伝えること同様に、本がそこにあるとお客さんに伝えるのは本当に難しい。

7月10日(火)

  • レ・ブルー黒書――フランス代表はなぜ崩壊したか
  • 『レ・ブルー黒書――フランス代表はなぜ崩壊したか』
    ヴァンサン・デュリュック,結城 麻里
    講談社
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  • 新潮 2012年 08月号 [雑誌]
  • 『新潮 2012年 08月号 [雑誌]』
    新潮社
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「本の雑誌」2012年8月号搬入日。

 その表紙に「荷ほどきギックリ号」とコピーが打たれているがこれは間違いである。持っている男・浜本茂は荷ほどきでギックリしたのではなく、バスマジックリンを持ち上げようとしてギックリしたのである。

 通勤読書は、『レ・ブルー黒書 フランス代表はなぜ崩壊したか』ヴァンザン・デュリュック著(講談社)。

 あの日本代表がベスト16入りし、その一致団結した姿が世界から賞讃を浴びた2010年南アフリカワールドカップのときに、選手の追放から練習ボイコットに至りチーム崩壊の末予選敗退したフランス代表のその事件を克明に調査したノンフィクション。

 これを読むと献身的な行動を美徳する日本人ほどサッカーに向いている人種はいないのではないかと思ってしまう。

 そして次に読んだ雑誌「新潮」8月号の西村賢太氏と山下敦弘氏の対談のあまりのガチぶりにひっくり返る。自著『苦役列車』の映画化の駄作ぶりを各署で綴ってきた賢太氏とその監督である山下氏が目を背けることなくそのことについて語り合っているのだ。誌面からものすごく緊張感が伝わってきて、読んでいるこちらもドキドキしてしまうほど。今年度対談大賞というのがもしあったら間違いなくこの対談が受賞するだろう。

7月9日(月)

 出社すると東京堂書店のYさんから「大変です!」という件名のメールが届いており、大変驚く。あわててメールを確認すると、好評につき延長戦に突入していた「本の雑誌が神保町にやってきたフェア」が相変わらず絶好調で、その追加の注文と期間延長の申し出だった。こりゃあ大変だ!

 午前中は本屋大賞の取材を受け、午後は東京堂書店さんへ直納。そのまま神保町の書店さんを廻り、350号記念特大号の「本の雑誌」8月号が出来上がってきたので、搬入の手伝い。

 5階に運びこむのが大変かと思ったが、道から一旦台車に積んで、荷運び用のリフターとエレベーターを使えばそれほど苦労せずすべてを運ぶことができた。

 しばしツメツメしているとWEB本の雑誌の新企画のため博報堂のHさんやフリー編集者のOさんなどがやってくる。1時間ほど打ち合わせ。

 終わってまたツメツメ。特大号なので妙に厚い。

7月6日(金)

  • ウはウミウシのウ―シュノーケル偏愛旅行記 (白水uブックス)
  • 『ウはウミウシのウ―シュノーケル偏愛旅行記 (白水uブックス)』
    宮田 珠己
    白水社
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 人生初のシュノーケルがあまりに楽しかったので、宮田珠己さんの『ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記』(白水uブックス)を再読しながら通勤。

 神保町は紙の匂いがして、これはまたこれで落ち着く。

 溜まっていたデスクワークをこなしてから、大竹聡さんの「ギャンブル酒放浪記」の取材に立ち会う。

7月5日(木)

 昨日まで奄美大島に行っていた。
 二泊三日、遊びのような仕事のような、それでもやっぱり遊びのような要するに宮田珠己さんに誘われて、高野秀行さんとともにシュノーケルセットを持って付いていったのだった。

 奄美大島は素晴らしかった。

 あまりに美しい海とあまりにきれいな夕日とあまりに明るい月明かりとあまりに楽しい時間にすっかり魅了され、その前の週に起こったことをすべて忘れてしまった。いやそれどころか今日からの仕事のこともあるいは家族のこともきれいさっぱり奄美の海のように忘れてしまい、また今日から奄美大島に行きたいと思っているのである。

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