担当=牧眞司

楽しく元気が出る一冊、銷夏に最適のポストうなぎSF短篇集
2018年7月17日11:52

【今週はこれを読め! SF編】

楽しく元気が出る一冊、銷夏に最適のポストうなぎSF短篇集
 うなぎづくしのSF短篇集。題材は「うなぎ絶滅」だが、五篇それぞれに調理法も味つけも違っていて、つぎはどんなものが出てくるかと楽しみに読んでいくと、お腹いっぱい...
筒井康隆のシャバドゥビから、宇宙駆ける仏寺スペースオペラまで
2018年7月10日12:43

【今週はこれを読め! SF編】

筒井康隆のシャバドゥビから、宇宙駆ける仏寺スペースオペラまで
 年刊日本SF傑作選の十一冊目。  ぼくがこのアンソロジーを楽しみにしている理由のひとつ(もっとも大きなひとつ)は、ジャンル作品以外の「こんな小説を書くひとがい...
十三の珠玉、ミルハウザーの魔術に魅了される一冊
2018年7月3日11:08

【今週はこれを読め! SF編】

十三の珠玉、ミルハウザーの魔術に魅了される一冊
 すべての作品が磨きぬかれた珠のごとく、ひっそり煌めいているミルハウザーの短篇集。ぼくは偏愛の読者なので、何人かの作家については「このひとが書くものなら習作や失...
埃だらけの空気、花を携えた乗客、姿をあらわさないトラ
2018年6月26日13:31

【今週はこれを読め! SF編】

埃だらけの空気、花を携えた乗客、姿をあらわさないトラ
 アルゼンチン幻想文学を代表するコルタサルの実質的な第一短篇集。1946年から50年までに書かれた八篇を収めている。「実質的」というのは、44年に短篇集『対岸』...
21世紀の「ゴルディアスの結び目」、イーガン経由でアップデートされた『神狩り』
2018年6月19日20:31

【今週はこれを読め! SF編】

21世紀の「ゴルディアスの結び目」、イーガン経由でアップデートされた『神狩り』
 コウモリの群れがブラックホールにアタックを仕掛けている。 すべてを。 ブラックホールの深深深部(トリプル・ディープ)に。 狂気の深淵に。 飢えた漏斗(じょうご...
ヒロタカ レア・トラックス!
2018年6月12日17:26

【今週はこれを読め! SF編】

ヒロタカ レア・トラックス!
 これは嬉しい一冊! 飛浩隆といえば、日本SF大賞を二度受賞した唯一の作家(2018年現在)であり、それどころか出した本すべてが同賞候補になった凄玉。だが、いか...
大きくうねる戦局のなか、不可解な状況にさらされる兵士たち
2018年6月5日11:09

【今週はこれを読め! SF編】

大きくうねる戦局のなか、不可解な状況にさらされる兵士たち
《航空宇宙軍史》は谷甲州のライフワークともいえる長大な連作だ。軍事組織「航空宇宙軍」を擁する地球側と外惑星連合との緊張は外惑星動乱のかたちで堰を切る。日本SF大...
赤目の男に変身する孔雀、山頂と地下をつなげる大蛇
2018年5月22日16:19

【今週はこれを読め! SF編】

赤目の男に変身する孔雀、山頂と地下をつなげる大蛇
 ほんものの幻想文学。ぼくが読みたい幻想文学は「昼間の論理」「日常の辻褄」「類型的な物語」の彼方にあるものだ。『飛ぶ孔雀』は、一行目からその領域へと引きこんでく...
忘れることができるメモリ、未来においてインプットされた記憶
2018年5月15日15:26

【今週はこれを読め! SF編】

忘れることができるメモリ、未来においてインプットされた記憶
 1992年に刊行された早瀬耕のデビュー長篇。一部で高評価を得ながら、広い注目を集めるまでにいたらず、また作者がその後、表立った作品発表をおこなっていなかったこ...
ボーイ・ミーツ・ガール物語のサイバーパンク的展開
2018年5月8日10:25

【今週はこれを読め! SF編】

ボーイ・ミーツ・ガール物語のサイバーパンク的展開
 冒頭の場面が印象的だ。ロンドンの川沿い、朽ちゆく街区の十四階建てのビルの屋上に腰かけている少年ハンター・ナッシュ。数ブロック先、さびれたスカイライン越しに、金...