担当=牧眞司
- 2025年2月11日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
軌道エレベーターをめぐる複雑な情報戦〜デュナ『カウンターウェイト』- デュナは1990年代より活躍をつづけ、いまでは韓国SFを代表する作家と目されている。個人情報をいっさい公表しない覆面作家だ。 本書は2021年に発表されたア...
- 2025年2月4日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
羊に変身する一族の歴史と、それを見送るわたくし〜犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』- 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作(前回この欄で取りあげたカスガ『コミケへの聖歌』との同時受賞)。帯の惹句には「アンドロイドは人間羊の夢を見るか?」--...
- 2025年1月28日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
ディストピアの彼方にある〈コミケ〉〜カスガ『コミケへの聖歌』- 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作(犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』との同時受賞)。ポストアポカリプスSFにして、四人の少女による部活小説だ。 二十一世...
- 2025年1月21日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
『星を継ぐもの』シリーズ最終巻〜ジェイムズ・P・ホーガン『ミネルヴァ計画』- ジェイムズ・P・ホーガンの代表作『星を継ぐもの』は、月面で発見された五万年前の死体(真紅の宇宙服を着けている)の謎から開幕し、壮大な人類史が立ちあがるSFミス...
- 2025年1月14日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
夢見られるシェルター、シェルターが紡ぐ夢〜ヘルベルト・ローゼンドルファー『廃墟建築家』- 新しくはじまった意欲的な企画《オーストリア綺想小説コレクション》の第一巻。巨大地下シェルターのなかで、いくつもの不思議な挿話が語られる。 主要舞台となる地下...
- 2025年1月7日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
アイデアストーリーから抒情的な作品まで〜劉慈欣『時間移民 劉慈欣短篇集II』- 超弩級シリーズ《三体》で、世界のSFシーンにその名をとどろかせた劉慈欣だが、短篇もなかなか面白い。本書は『円』につづく、早川書房からの日本オリジナル短篇集の二...
- 2024年12月24日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
巨人vs.探偵、権威と暴力と捜査〜ニック・ハーカウェイ『タイタン・ノワール』- ニック・ハーカウェイはジョン・ル・カレの息子、などという紹介はもはや不要なほど、彼自身がひとりの作家として確かな実績と大きな人気を築いている。ミステリ読者なら...
- 2024年12月17日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
テクノロジーにまつわる八篇〜宮内悠介『暗号の子』- 宮内悠介の新しい短篇集。八篇を収録する。 表題作「暗号の子」は、ひとつのコミュニティの勃興から没落までを綴る。もともとはオンラインのASD(自閉スペクトラム...
- 2024年12月10日12:00
【今週はこれを読め! SF編】
複数の現実が干渉する世界〜飛浩隆『鹽津城』- 飛浩隆は、現代日本SFを牽引する作家のひとりであり、作品集『象られた力』、おなじく『自生の夢』によって、日本SF大賞を二度受賞している。本書は、八年ぶりに刊行...
- 2024年12月3日13:15
【今週はこれを読め! SF編】
技術アイデアと現代的テーマ、そして希望のドラマ〜藤井太洋『まるで渡り鳥のように』- 藤井太洋の第二短篇集。十一篇を収録する。初出はさまざまな媒体にわたるが、日本に先駆けて海外(中国語・韓国語・英語)で発表されたものが六篇あるのは、国際的な文芸...