担当=牧眞司

砂漠の「最も古い言葉」を聞く、この惑星の起源を解く
2019年2月19日11:55

【今週はこれを読め! SF編】

砂漠の「最も古い言葉」を聞く、この惑星の起源を解く
「序章」で提示されるイメージが鮮烈だ。  黒い言骨(いこつ)の森が、目の前一面に広がっている。  十四番鯨骨街(げいこつがい)の採骨場はしばらく手つかずだったよ...
幻想への航海、宙づりのままに残る謎
2019年2月12日10:31

【今週はこれを読め! SF編】

幻想への航海、宙づりのままに残る謎
 カール・エドワード・ワグナーが「LSDでぶっとんだメルヴィルが書いた『宝島』」と評した奇書である。ただし、表面的な筋を追うぶんには、ストレートな海洋幻想譚にす...
トリス、偽トリス、トリスタ、「自分である」ことの冒険
2019年2月5日15:08

【今週はこれを読め! SF編】

トリス、偽トリス、トリスタ、「自分である」ことの冒険
 頭が痛い。意識が戻って最初に感じたのは、脳みそがひっかきまわされているような苦痛と、あと七日だよ、という笑い声だ。頭のなかで声がする。  自分が誰かもわからな...
異なる生態系のなかで、人類が進むべき未来を探る惑星開拓史
2019年1月29日17:51

【今週はこれを読め! SF編】

異なる生態系のなかで、人類が進むべき未来を探る惑星開拓史
 環境破壊によって滅びつつある地球を脱出したひとにぎりの人々は、百五十八年の人工冬眠を経て、酸素と水が豊富にある惑星へとたどりつく。彼らはその惑星を【平和/パッ...
宇宙なんて手に入れたくない! 不本意ながら銀河帝国皇帝になったヒロイン
2019年1月22日13:15

【今週はこれを読め! SF編】

宇宙なんて手に入れたくない! 不本意ながら銀河帝国皇帝になったヒロイン
 銀河帝国という設定は、物語の背景としては繰り返し描かれてきたが、それを前面に押しだした作品はさほど多くない。そもそも星間にまたがり、往来どころか通信にもままな...
離れていても声が聞こえる。ウィリスのロマンチック・コメディ。
2019年1月15日16:14

【今週はこれを読め! SF編】

離れていても声が聞こえる。ウィリスのロマンチック・コメディ。
 コニー・ウィリスの新作長篇。そう聞いただけで少々気が重くなるのは、ぼくが分厚い作品が苦手で、ウィリスの長篇といえば分厚い(それも尋常ではなく)のがあたりまえだ...
日本SFの新しいプラットホーム、ここから始まる。
2019年1月8日14:49

【今週はこれを読め! SF編】

日本SFの新しいプラットホーム、ここから始まる。
 SF出版では海外SF紹介から出発した東京創元社だが、2007年に日本SFの名作再刊に手を染め、2010年以降は創元SF短編賞(募集は前年から)によって次々と新...
破滅と再生の寓話、イヴを畏れるアダム
2018年12月25日10:59

【今週はこれを読め! SF編】

破滅と再生の寓話、イヴを畏れるアダム
『紫の雲』は、翻訳が待ち望まれていた古典である。作者M・P・シールは1865年生まれ47年歿のイギリス作家、二十世紀になる直前から作品を発表しはじめた。この経歴...
ベテランから新人まで個性豊かな書き下ろしアンソロジー
2018年12月18日19:01

【今週はこれを読め! SF編】

ベテランから新人まで個性豊かな書き下ろしアンソロジー
 もう何度も書いていることだが、ここ数年の日本SFは空前の収穫期にあって、ベテランから俊英まで多くの才能が質の高い作品を送りだしている。惜しむらくは本来の受け皿...
食べ飽きない語り口の妙、滋味ゆたかな物語
2018年12月11日12:46

【今週はこれを読め! SF編】

食べ飽きない語り口の妙、滋味ゆたかな物語
 清朝の中国江南地方を舞台とした美食ファンタジイ。食の描写は、性愛や感情の描写と同様、ごてごてと修辞を盛ればよいというものではなく、細部を際立たせようとすれば全...