牧眞司
- 2024年12月
- テクノロジーにまつわる八篇〜宮内悠介『暗号の子』 (2024年12月17日)
- 複数の現実が干渉する世界〜飛浩隆『鹽津城』 (2024年12月10日)
- 技術アイデアと現代的テーマ、そして希望のドラマ〜藤井太洋『まるで渡り鳥のように』 (2024年12月3日)
- 2024年11月
- 牧歌的な雰囲気とナイーヴな対話〜ベッキー・チェンバーズ『ロボットとわたしの不思議な旅』 (2024年11月26日)
- 地下都市の秘密と菌類が覆われた地上の奇観〜キム・チョヨプ『派遣者たち』 (2024年11月19日)
- 巨大病院としての都市、罹患した宇宙〜韓松『無限病院』 (2024年11月12日)
- 洒落た綺譚から、名状しがたい怪奇幻想まで〜イーディス・ウォートン『ビロードの耳あて』 (2024年11月5日)
- 2024年10月
- 異星遺物の脅威と冷酷企業の支配に抗して〜マーサ・ウェルズ『システム・クラッシュ』 (2024年10月22日)
- 語りの技巧が冴えるスパニッシュ・ホラーの傑作〜サマンタ・シュウェブリン『救出の距離』 (2024年10月15日)
- 史実と伝奇とが、新しいSFとして豊かに交雑〜大恵和実編訳『日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白』 (2024年10月8日)
- 近未来のチェ・ゲバラ、あるいはポストヒューマンの胎動〜藤井太洋『マン・カインド』 (2024年10月1日)
- 2024年9月
- 輻輳と脱線と饒舌の狂想曲〜ステファン・テメルソン『缶詰サーディンの謎』 (2024年9月24日)
- ロマンタジーという新ジャンルの勃興〜レベッカ・ヤロス『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫』 (2024年9月17日)
- 分断された人類に未来はあるか~王城夕紀『ノマディアが残された』 (2024年9月10日)
- 壮大な宇宙の逃走劇と、知恵を駆使する青春SF〜宮西建礼『銀河風帆走』 (2024年9月3日)
- 2024年8月
- 『タウ・ゼロ』に匹敵する壮大な宇宙SF〜春暮康一『一億年のテレスコープ』 (2024年8月27日)
- じつは壮大な人類史・宇宙史が背景に〜松崎有理『山手線が転生して加速器になりました。』 (2024年8月19日)
- メタフィジカルな神話、テキストの宇宙〜円城塔『ムーンシャイン』 (2024年8月14日)
- 抱腹絶倒のSFユーロビジョン小説〜キャサリン・M・ヴァレンテ『デシベル・ジョーンズの銀河(スペース)オペラ』 (2024年8月6日)
- 2024年7月
- 9人の作家による9人のサイボーグの物語~石ノ森章太郎原作『サイボーグ009トリビュート』 (2024年7月23日)
- 本棚の前に佇んで、あるいは立ちすくんで〜『幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル』 (2024年7月17日)
- 諧謔味に満ちたイギリス侵攻小説〜P・G・ウッドハウス『スウープ!』 (2024年7月9日)
- 悠久の叙事詩〜オラフ・ステープルドン『最後にして最初の人類』 (2024年7月2日)
- 2024年6月
- 改変歴史のエジプトで魔術的事件を追う女たち~P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』 (2024年6月25日)
- 特殊設定のロジックと交錯する感情〜芦沢央『魂婚心中』 (2024年6月19日)
- 読書・翻訳・原稿・詩作・古書......五つの物語〜高野史緒『ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅』 (2024年6月11日)
- 地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 (2024年6月4日)
- 2024年5月
- 気候変動と新自由主義がもたらす荒廃〜ジョナサン・ストラーン編『シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選』 (2024年5月28日)
- ドタバタから詩情豊かな作品まで〜池澤春菜『わたしは孤独な星のように』 (2024年5月21日)
- 幻燈機が映す幽霊、VRに生きる魔女〜空木春宵『感傷ファンタスマゴリィ』 (2024年5月14日)
- いつもここに幽霊がいる〜ケヴィン・ブロックマイヤー『いろいろな幽霊』 (2024年5月7日)
- 2024年4月
- 現代版『宇宙の戦士』 〜J・N・チェイニー&ジョナサン・P・ブレイジー『戦士強制志願』 (2024年4月23日)
- 行き場のない余韻、不協和音としての愛~坂崎かおる『嘘つき姫』 (2024年4月16日)
- 母から娘、四世代にわたる人類のサバイバル~高島雄哉『はじまりの青 シンデュアリティ:ルーツ』 (2024年4月9日)
- パンデミックや気候変動を生き抜く〜セコイア・ナガマツ『闇の中をどこまで高く』 (2024年4月2日)
- 2024年3月
- 形而上学的アンチミステリと異色の不条理SF~スタニスワフ・レム『捜査・浴槽で発見された手記』 (2024年3月26日)
- 静かな感動作? それとも不穏が募るイヤSF?~間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』 (2024年3月19日)
- 独創的なアイデア、謎の展開、青春の葛藤〜松樹凛『射手座の香る夏』 (2024年3月12日)
- 高度成長期の日本にSNSがあったら~宮内悠介『国歌を作った男』 (2024年3月5日)
- 2024年2月
- 降霊術、輪廻転生、死後の物語〜『幻想と怪奇15 霊魂の不滅 心霊小説傑作選』 (2024年2月27日)
- タペストリーのような質感の未来のお伽噺〜ラヴィ・ティドハー『ロボットの夢の都市』 (2024年2月20日)
- 不死者の欲望と葛藤〜森口大地編訳『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』 (2024年2月13日)
- 異知性とのコンタクトを描く近未来ハードSF〜林譲治『知能侵蝕 1』 (2024年2月6日)
- 2024年1月
- ヴィクトリア朝に舞うモンスター娘たち~シオドラ・ゴス『メアリ・ジキルと囚われのシャーロック・ホームズ』 (2024年1月23日)
- 宇宙を超えて伝染する狂気~デイヴィッド・ウェリントン『妄想感染体』 (2024年1月16日)
- 精神とブラックホールをつなげる大仕掛けのアイデア〜矢野アロウ『ホライズン・ゲート 事象の狩人』 (2024年1月10日)
- 風の星、砂の星、崖の星、水の惑星〜中村融編『星、はるか遠く 宇宙探査SF傑作選』 (2024年1月5日)
- 2023年12月
- ポストヒューマン・テーマの傑作〜森岡浩之『プライベートな星間戦争』 (2023年12月26日)
- 現代的テーマと多彩なSFアイデア~立原透耶編『宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選』 (2023年12月19日)
- 死にいく太陽、苦痛に満ちた世界〜酉島伝法『奏で手のヌフレツン』 (2023年12月12日)
- 自由の入口をさぐりながら〜アーシュラ・K・ル・グィン『赦しへの四つの道』 (2023年12月5日)
- 2023年11月
- 恐竜と蟻の互恵的共生と殲滅的戦争~劉慈欣『白亜紀往事』 (2023年11月28日)
- 月面都市で語られるいくつかのクリスマス物語~村山早紀『さやかに星はきらめき』 (2023年11月21日)
- 巨竜とファウストが拮抗するマジック・リアリズム〜ルーシャス・シェパード『美しき血 竜のグリオールシリーズ』 (2023年11月14日)
- メタフィジカルなコントSF~宮澤伊織『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』 (2023年11月7日)
- 2023年10月
- 『最後のユニコーン』の続篇~ピーター・S・ビーグル『旅立ちのスーズ』 (2023年10月24日)
- シャーリイ・ジャクスンの衣鉢を継ぐ十八篇~『穏やかな死者たち』 (2023年10月17日)
- 錬金術と産業革命の絢爛たる接合~高丘哲次『最果ての泥徒(ゴーレム)』 (2023年10月10日)
- 絶滅動物をめぐるふたりの冒険~川端裕人『ドードー鳥と孤独鳥』 (2023年10月3日)
- 2023年9月
- 異なる認知、現実の外側へ~キム・チョヨプ『この世界からは出ていくけれど』 (2023年9月27日)
- 気候変動に立ちむかう新技術と経済システム~『未来省』 (2023年9月19日)
- 想像せぬ結末へと至る十四篇~『最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』 (2023年9月12日)
- 文化人類学的視座と政治的リアリティ~『コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝』 (2023年9月5日)
- 2023年8月
- ポストヒューマンSF「タコですがなにか」〜伊野隆之『ザイオン・イン・ジ・オクトモーフ』 (2023年8月22日)
- カーニヴァルをめぐる、少年の高揚と畏れ (2023年8月15日)
- メガトン級の怪獣エンターテインメント (2023年8月8日)
- 飛行船をめぐる既視感、交叉するふたりの青春 (2023年8月1日)
- 2023年7月
- 口、耳、目、肉、鼻、髪、肌......身体器官から異常領域が広がる (2023年7月25日)
- ベルギーの詩人による時間SF (2023年7月18日)
- 月面での不条理劇、歩くスパムの扱いかた (2023年7月12日)
- キングが得意とする超能力テーマの新作長篇 (2023年7月4日)
- 2023年6月
- 『フランケンシュタイン』+『そして誰もいなくなった』 (2023年6月27日)
- SFの設定・アイデアで現代韓国の問題に焦点をあてる (2023年6月20日)
- 怪獣、時間跳躍、吸血鬼、ゾンビ (2023年6月13日)
- 人間精神の深奥と現代アルゼンチンの暗澹を剔出する十二篇 (2023年6月6日)
- 2023年5月
- 異星文化とテレパシーを扱ったSFミステリ (2023年5月23日)
- 新しい惑星に、生きた物語を吹きこむ (2023年5月16日)
- 死と意識をめぐるサイバーパンク (2023年5月9日)
- 傑作ノヴェラ二本立て (2023年5月2日)
- 2023年4月
- 女性作家のみのSFアンソロジー (2023年4月25日)
- インカがヨーロッパを席巻、波瀾万丈の歴史改変小説 (2023年4月18日)
- 百字の宇宙、百字の日常 (2023年4月11日)
- 死者への愛情を転移させる巨大樹 (2023年4月4日)
- 2023年3月
- 異質な存在とのコンタクト──レム版の『宇宙戦争』 (2023年3月28日)
- 人種差別が蔓延る日常と怪異に満ちた超自然のアメリカ (2023年3月21日)
- 日常の憂鬱案件、この名探偵が解決します(!?) (2023年3月14日)
- 精霊がうごめく密林、ナチス由来の研究所 (2023年3月7日)
- 2023年2月
- 香川と大阪のサイバーパンク、あるいは多義的ディストピア (2023年2月28日)
- 〈季節〉を終わらせる力を目ざして。三部作完結篇。 (2023年2月21日)
- 終末世界における奇妙なシスターフッド (2023年2月14日)
- 歴史が終焉してもなお、書きつづける作家たちの物語 (2023年2月7日)
- 2023年1月
- 死ぬも生きるも地獄、氷の惑星での二人一役サバイバル (2023年1月24日)
- 帰還した天才科学者は本物か? 迫真のSFスリラー (2023年1月17日)
- 魔術が実在する日本で、権刑部卿と陰陽師が謎に挑む (2023年1月10日)
- 伝説のショートショート・アンソロジーが甦る (2023年1月5日)
- 2022年12月
- 謎の自然現象、球電を追う現代的なハードSF (2022年12月27日)
- 思考実験的なアイデアとエンターテインメントのバランス (2022年12月20日)
- 地上を変容させる少女禍 (2022年12月13日)
- ハイテク自閉住居で起こる謎に二人組が挑むSFミステリ (2022年12月6日)
- 2022年11月
- 古書のページに挟まれた、時の迷宮を記した栞 (2022年11月22日)
- アイドルと死生観 (2022年11月16日)
- 言葉に先立つ、人間性を伝えるプロトコル (2022年11月8日)
- 懐かしい映画のような純愛タイムトラベル (2022年11月1日)
- 2022年10月
- 増殖する兎、他人の夢、膿んだ歯茎 (2022年10月25日)
- 使役される死者、目的地のない船旅 (2022年10月18日)
- 創元SF短編賞受賞作を含むアンソロジー (2022年10月11日)
- 圧倒的占領軍に立ちむかう、わずか六人と超兵器 (2022年10月4日)
- 2022年9月
- 環境破壊された未来、荒野のなかの母と娘 (2022年9月27日)
- 日本短篇SFの精華十篇 (2022年9月20日)
- 歴史が負った精神的外傷をめぐるハードボイルド (2022年9月13日)
- 霧の都に跋扈する邪神、それに挑む名コンビ (2022年9月6日)
- 2022年8月
- 状況がわからぬままに迫りくる終末 (2022年8月23日)
- 技術的リアリティとミステリとしての抑揚 (2022年8月15日)
- 戦後世界に刺さったまま抜けない原爆 (2022年8月9日)
- ワイドスクリーンで展開する《三体》公式スピンオフ (2022年8月2日)
- 2022年7月
- 多くのアイデア・テーマを詰めこんだ林譲治の新シリーズ (2022年7月26日)
- 若旦那と人魚、尋常ならざる愛を描く異類婚姻譚 (2022年7月19日)
- モザイク化されたヨーロッパに展開するスパイ・サスペンス (2022年7月12日)
- 異なる存在との関係を通じ、切実な生の問題を描ききる (2022年7月5日)
- 2022年6月
- 現代韓国作家によるハイレベルのSF短篇集 (2022年6月28日)
- 「語られない部分」を活かす技巧が冴えるピンスカーの短篇集 (2022年6月21日)
- AI裁判官とハッカー弁護士がもつれる法廷ミステリ (2022年6月14日)
- 2084年の世界と人間を描く23編 (2022年6月7日)
- 2022年5月
- ケンタウルス座α星への長い旅に出る巨大宇宙船 (2022年5月24日)
- 希望の裏返しのファーストコンタクト (2022年5月17日)
- 異星生物のコンタクトを通じて宇宙的倫理を問う三篇 (2022年5月10日)
- シミュラークルをめぐる果てなき戦闘 (2022年5月3日)
- 2022年4月
- 蒼然たるゴシック小説の展開に、きわめて現代的なヒロイン (2022年4月26日)
- アウェイ感のなかで殺人事件捜査に乗りだす"弊機" (2022年4月19日)
- 新鮮でバラエティに富んだ、現代中国女性作家SFアンソロジー (2022年4月12日)
- 独立戦争から四十年、火星の歴史が動きはじめる (2022年4月5日)
- 2022年3月
- 暁の町と黄昏の町、あとは荒野が広がる世界 (2022年3月22日)
- 霊妙な領域を描く名匠オリヴァー・オニオンズ (2022年3月15日)
- 自由と呪い、三百年の孤独 (2022年3月8日)
- ラヴクラフトの衣鉢を継ぐ俊英キャンベルの短篇集 (2022年3月1日)
- 2022年2月
- 激動の未来史《オーシャンクロニクル》の新しい短篇集 (2022年2月22日)
- 終末のインナースペース (2022年2月15日)
- 別々に旅する三人の書簡で綴られた架空旅行記 (2022年2月8日)
- 宇宙論的視野へ到達するテレポートSF (2022年2月1日)
- 2022年1月
- 完全自動運転をめぐるノンストップスリラー (2022年1月25日)
- Lafferty's Labyrinths(ラファティの伝奇集) (2022年1月19日)
- 《泰平ヨン》シリーズ最後の作品 (2022年1月11日)
- 遠い星へむかう虚(うつ)ろ舟、吸血のイニシエーション (2022年1月5日)
- 2021年12月
- 酔ったいきおいで大発明 (2021年12月28日)
- 宇宙的厄災のピンチ、記憶にひそむミステリ、感動のファーストコンタクト (2021年12月21日)
- 二〇二〇年の短篇SFの精華、十一篇 (2021年12月14日)
- 1999年デビュー作から2014年発表作までを集める (2021年12月7日)
- 2021年11月
- オリジナル・アンソロジーの四冊目 (2021年11月23日)
- 閉ざされた岬にあるのは、静穏なり生か、死へいたる扉か (2021年11月16日)
- 耀く空を信じて、純真なロボットの少女たちの友情 (2021年11月9日)
- これほど異常でイイのだろうか? (2021年11月2日)
- 2021年10月
- 微妙に人間くさいマーダーボットと宇宙船 (2021年10月26日)
- 異質なものを、最後まで異質なまま描ききる (2021年10月19日)
- 中国SFの俊英による時間テーマの短篇集 (2021年10月12日)
- 芦屋道満から式神を受けついだ土着の陰陽師 (2021年10月5日)
- 2021年9月
- 凶悪生物の侵攻に立ちむかう、ハンディキャップを持った姫と少年 (2021年9月27日)
- なんの役にも立たない、凄いおならが出るだけの大発明 (2021年9月21日)
- 斬新なアイデアと超絶的な物語表現。生と死をめぐる八篇。 (2021年9月14日)
- アフリカの大地から、異種族が葛藤する宇宙へ (2021年9月7日)
- 2021年8月
- 立ちこめる頽廃と情念、先鋭SFが描く酷薄美 (2021年8月24日)
- 語りの妙が堪能できる十七篇 (2021年8月17日)
- 江戸川乱歩をドストエフスキーへ還流する、文学的メビウスの環 (2021年8月10日)
- 知性を発展させる蜘蛛たちと軌道上の狂える神 (2021年8月3日)
- 2021年7月
- つぎつぎに立ちはだかる困難を超えて火星へ (2021年7月27日)
- 夢の国を旅して"覚醒する世界"へと至る (2021年7月20日)
- 伊藤典夫が手ずから選んで訳した英米SFの名作八篇 (2021年7月13日)
- 日本SFにおけるマジックリアリズムの俊才 (2021年7月6日)
- 2021年6月
- 血臭と瘴気が立ちこめる魔界西部 (2021年6月22日)
- 奇妙なタイムトラベル、石器時代の種族とともに生きる (2021年6月15日)
- 冷徹なる種族殲滅の宇宙で、愛は価値を持つか? (2021年6月8日)
- マイリンク、シェーアバルト、ブラックウッド......夢幻の境地に踏みいる (2021年6月1日)
- 2021年5月
- 王道の少年少女向きSF――《ハヤカワ・ジュニア・SF》第一弾 (2021年5月25日)
- 登場人物たちが暮らす秘密の図書館、書き換えられる初版本 (2021年5月19日)
- 人虎伝説が残る1930年代マレーシアを舞台にした謎と冒険 (2021年5月11日)
- ゴールドラッシュの小惑星で繰りひろげられるアクションSF (2021年5月6日)
- 2021年4月
- 蜘蛛の糸で覆われ滅びゆく古都を描く坂永雄一の新作 (2021年4月27日)
- そこにあるだけの奇跡、手を伸ばしつづける希望 (2021年4月20日)
- 霊能者連続失踪事件を追うヴィクトリアン・ミステリ。 (2021年4月13日)
- 全銀河に反逆した種族「人類」、その最後の生き残りが主人公 (2021年4月6日)
- 2021年3月
- 超スケールの宇宙SFから、歴史認識を扱った議論喚起的な作品まで (2021年3月23日)
- 甲冑から高度AIまで、さまざまなパワードスーツのアンソロジー (2021年3月16日)
- 埋もれていた傑作を含む、新編集の眉村卓ショートショート集。 (2021年3月9日)
- 死者と生者の都ローマ、血の戦慄と欲望 (2021年3月2日)
- 2021年2月
- 現実と記憶の不調和、組織がはらむ不条理を描く十二篇 (2021年2月24日)
- 夏への扉はなくても、猫がいればあたたかい (2021年2月16日)
- 独自のセンスで選んだ七篇、中国とアメリカの状況を照らしあう (2021年2月9日)
- AIの本質と人間の情動 (2021年2月2日)
- 2021年1月
- 陰に隠れた幻想小説の水脈の発見 (2021年1月26日)
- 羊羹を食べながら日本海軍を翻弄するオリオン太郎 (2021年1月19日)
- 特殊な閉鎖環境のなか、「剃刀の刃のように細い線」をたどる叛乱 (2021年1月11日)
- 多様な傾向を集めつつ、懐かしい印象すら受ける間口の広いアンソロジー『2010年代海外SF傑作選』 (2021年1月5日)
- 2020年12月
- 異質な他者とのつながりが照らしだす人間のありかた (2020年12月22日)
- 現実認識のテーマから、目くるめく神怪小説へ発展 (2020年12月15日)
- 高性能AIに挑む、落ちこぼれエンジニアとおかしなヤクザ (2020年12月8日)
- 21世紀最初の十年紀を飾った注目のSF短篇を収めたアンソロジー (2020年12月1日)
- 2020年11月
- ハイテク汚濁都市にあらわれた神話的存在感を放つ女 (2020年11月24日)
- 銀河英雄伝説トリビュート・アンソロジー (2020年11月17日)
- Anarchy in Osaka (2020年11月10日)
- 怪奇小説の伝統に棹さす、みごとな表現の四作品 (2020年11月3日)
- 2020年10月
- アルゴリズムの支配を逃れ、なお生き延びるすべ (2020年10月27日)
- 稀覯書や古文書をめぐる怪奇譚、黴の匂いと書架の陰翳 (2020年10月20日)
- 物珍しさではなく、作品そのものの価値で語られるべき充実のアンソロジー (2020年10月13日)
- 映像は武器たりえるか、レンズを通して語る女たちの年代記 (2020年10月6日)
- 2020年9月
- オリジナル・アンソロジー・シリーズの三冊目。七篇を収録。 (2020年9月23日)
- 異質な敵の全容、失われた文明の謎、そして秘匿された人類史 (2020年9月15日)
- 迷路を進むと〈薄暮〉が追いかけてくる。歴史も人生も。 (2020年9月8日)
- 1950年代の宇宙移住計画、宇宙飛行士を目ざす女性の奮闘 (2020年9月1日)
- 2020年8月
- 美をめぐる真正と倫理を、SFの設定とミステリの構成で描く (2020年8月25日)
- 14歳の少女にして宇宙船、戦争と人命救助のスペース・オペラ (2020年8月18日)
- 新たな壮途へ乗りだした年刊日本SF傑作選 (2020年8月11日)
- 埋もれた名作を発掘・再評価する意欲的アンソロジー (2020年8月4日)
- 2020年7月
- 歴史改変戦争。時間の家父長制をいかにくつがえすか。 (2020年7月28日)
- 作者一流の書法と画像的想像力の横溢。さまざまな側面を示すショーケース。 (2020年7月21日)
- ケン・リュウ選とは味わいの違う、新しい中華圏SFアンソロジー (2020年7月14日)
- 2020年6月
- 三体人の圧倒的有利に抗うため地球側が仕掛ける面壁計画 (2020年6月30日)
- 二重の有徴を背負った人生、呪われた天分、世界を護り/滅ぼす才能 (2020年6月23日)
- 機械論的な時間ループではなく、記憶と歴史の物語 (2020年6月16日)
- 前作から大きくスケールアップ、映像的表現の迫力 (2020年6月9日)
- 里程標的作品から現代の新鮮作まで、人狼テーマの饗宴 (2020年6月2日)
- 2020年5月
- 7分間のお楽しみ。いずれ劣らぬ十一篇。 (2020年5月26日)
- 初期筒井短篇の社会批判と心理的題材 (2020年5月19日)
- 奇妙な全体主義の成立と凋落、孤独と想像力をめぐって (2020年5月12日)
- ヤング・カーティス・ニュートン、青二才からヒーローへ (2020年5月5日)
- 2020年4月
- 一面に凍てついた世界を、ふたりで南へ。 (2020年4月28日)
- 激しい性のカタチ、遙かな愛のスガタ (2020年4月21日)
- ふたつの偽史が結ぶ真実の因果 (2020年4月14日)
- 〈ホテル・アルカディア〉の芸術家たち、その他の物語 (2020年4月7日)
- 2020年3月
- ケン・リュウ編の中国アンソロジー第二弾! (2020年3月24日)
- 〈暦法〉宇宙国家への異端の侵攻。めくるめく展開のスペースオペラ。 (2020年3月17日)
- 浪漫の帝都と大陸の新興都市が舞台、波瀾のスチームパンク (2020年3月10日)
- 第二次『幻想と怪奇』に喝采! (2020年3月3日)
- 2020年2月
- 福島、イラク、新疆ウイグル自治区......核をめぐる因縁が東京で交叉する (2020年2月25日)
- 「珍しさ」より「質」を重視した、選りすぐりの十篇。 (2020年2月18日)
- 卓越したプロデュース力と圧倒的な読者力による傑作アンソロジー (2020年2月12日)
- ハイテク廃棄物のディストピア、最周縁から世界を批判する哀しきモンスター (2020年2月4日)
- 2020年1月
- 悲しげな歌を歌う怪獣、全体主義に抗う《人間》 (2020年1月28日)
- 波瀾万丈な人生のなかにの潜む"得体の知れぬ"裂け目 (2020年1月21日)
- ラヴクラフトを切歯扼腕させる十六篇 (2020年1月14日)
- 横たわるグリオール以前と、死んだグリオール以後 (2020年1月7日)
- 2019年12月
- 寄稿者の持ち味が十二分に発揮されたオリジナル・アンソロジー (2019年12月24日)
- 間口が広い物語と、ロジックの通った展開 (2019年12月17日)
- 複雑にもつれる多民族・多文化の未来史 (2019年12月10日)
- 斬新なアイデアで展開される、決定論と自由意志をめぐる哲学的洞察 (2019年12月4日)
- 2019年11月
- 困難なミッションに挑む、量子魔術師と個性溢れるメンバーたち (2019年11月28日)
- 遍歴のなかで次々と物語内人物に重なる、ロマンチックな異界往還譚 (2019年11月19日)
- 「宇宙」と「時間」、対になった二冊のテーマ・アンソロジー (2019年11月12日)
- 翡翠というモチーフが担う多義性、多視点で語られる物語の推進力 (2019年11月5日)
- 2019年10月
- 謎解きミステリと時間SFとのあまりにみごとな融合 (2019年10月22日)
- 異常な光景の描写と巧みなストーリーの背後に、アメリカの歪みや傷を映しだす (2019年10月15日)
- 著者初の短篇集。文化と歴史への洞察と、卓越した構成力、語りの技巧。 (2019年10月8日)
- 有無を言わせぬ怒濤の展開! 正調ワイドスクリーン・バロック! (2019年10月1日)
- 2019年9月
- 第三種接近遭遇テーマの王道。怒濤のサプライズ・エンディングに仰天。 (2019年9月24日)
- SFというジャンルを問い直しつづけた年刊傑作選の、これが最終巻。 (2019年9月17日)
- きらめく青春小説にして、時間と現実と創作とをめぐる問い直し (2019年9月10日)
- 手強い異存在との意思疎通と、未知の文明の調査 (2019年9月3日)
- 2019年8月
- ゲンロン出身作家の意欲作から、ベテラン津原泰水の傑作戯曲まで (2019年8月27日)
- 自由意志をめぐる鋭角的な思考実験を、青春小説のスタイルで語りきる (2019年8月20日)
- これこそ現代のスペースオペラ! (2019年8月13日)
- アイデアとロジックの名手! (2019年8月6日)
- 2019年7月
- 冬の物語、夢の物語、大胆なガジェットと切ない恋情 (2019年7月23日)
- ミルハウザーの新しい試み、しかし変わりのない魔法の言葉 (2019年7月16日)
- 何度も滅びて再興する三体世界の文明、それが地球にもたらすもの (2019年7月9日)
- 架空都市をめぐる36の断章 (2019年7月2日)
- 2019年6月
- もはやそれほど危険ではないが、アイデア・ストーリーとして面白い (2019年6月25日)
- 狂気が漂う異様な作品ばかりの短篇集 (2019年6月18日)
- 実体と魔物に分かれたひとり。止められない戦争をいかに生きるか? (2019年6月11日)
- 安定感のある古典と一筋縄ではいかない問題作 (2019年6月4日)
- 2019年5月
- 感覚情報翻訳者が活躍する凝った構成のミステリ連作 (2019年5月28日)
- 美のユートピアで繰り広げられる人間模様 (2019年5月21日)
- 場所が特定できぬ孤峰、スパゲッティコードとしての世界 (2019年5月14日)
- 間近にあるディストピア、奪われた声をいかに取り戻すか (2019年5月7日)
- 2019年4月
- 天皇機関vs.粘菌機関 特撮映画のような痛快活劇 (2019年4月23日)
- 大胆なSFの設定に、現代社会の問題を写しとる (2019年4月16日)
- はかない記憶と傷つく身体のエロティシズム (2019年4月9日)
- いつか卑徒(ひと)になる日まで (2019年4月2日)
- 2019年3月
- それでもなお、ひとは自由意志を希求する (2019年3月26日)
- 加藤清正や恐竜も復活、愛のありかたを描く感動作 (2019年3月19日)
- 宇宙共通の原理としての進化 (2019年3月12日)
- ティプトリー風の表題作から中国伝奇アクションまで (2019年3月5日)
- 2019年2月
- 総統になりそこねた男の「わが捜査」 (2019年2月26日)
- 砂漠の「最も古い言葉」を聞く、この惑星の起源を解く (2019年2月19日)
- 幻想への航海、宙づりのままに残る謎 (2019年2月12日)
- トリス、偽トリス、トリスタ、「自分である」ことの冒険 (2019年2月5日)
- 2019年1月
- 異なる生態系のなかで、人類が進むべき未来を探る惑星開拓史 (2019年1月29日)
- 宇宙なんて手に入れたくない! 不本意ながら銀河帝国皇帝になったヒロイン (2019年1月22日)
- 離れていても声が聞こえる。ウィリスのロマンチック・コメディ。 (2019年1月15日)
- 日本SFの新しいプラットホーム、ここから始まる。 (2019年1月8日)
- 2018年12月
- 破滅と再生の寓話、イヴを畏れるアダム (2018年12月25日)
- ベテランから新人まで個性豊かな書き下ろしアンソロジー (2018年12月18日)
- 食べ飽きない語り口の妙、滋味ゆたかな物語 (2018年12月11日)
- ガンマ線バーストでも終わらない世界のために (2018年12月4日)
- 2018年11月
- 異世界への入口はどこに、あるいは迷える青少年殺人事件 (2018年11月27日)
- 他者の記憶、自分の輪郭、宿痾もしくは恩寵としての共感 (2018年11月20日)
- ITによって変貌しゆくアクチャルな未来を描いた連作集 (2018年11月13日)
- 日本SFが生んだ奇書、得体の知れぬ迷宮的作品 (2018年11月6日)
- 2018年10月
- 不吉な想像力を膨らませる語りの妙 (2018年10月23日)
- 星間宇宙船という完全密室、被害者も容疑者も探偵役も自分たち (2018年10月16日)
- This could be heaven or this could be Hell (2018年10月9日)
- 来歴・由来をめぐるミステリと、惑星間・異種族間との外交問題 (2018年10月2日)
- 2018年9月
- 天才でマッドなお姉さんと、知性の普遍構造を解きあかす宇宙計算機 (2018年9月25日)
- じわじわ気になる(ほぼ)100字の書評 (2018年9月18日)
- ひとつの地形として横たわるだけ巨竜が作品世界を支配する (2018年9月11日)
- 記憶は誰のもの? 意識はどこから? 迫真の近未来ノワール (2018年9月4日)
- 2018年8月
- 焼死に至る〈竜鱗病〉があぶりだす、現代社会が抱える病理 (2018年8月28日)
- 土地そのものとしての精霊、歴史の底から甦る異教の魅惑 (2018年8月21日)
- 生存戦略としての支配? それとも共生による進化? (2018年8月14日)
- 至高のミリグラム、赤ちゃんのエネルギー化、人造美人の広告 (2018年8月7日)
- 2018年7月
- メタモルフォーシスと魅入られた者の情念 (2018年7月24日)
- 楽しく元気が出る一冊、銷夏に最適のポストうなぎSF短篇集 (2018年7月17日)
- 筒井康隆のシャバドゥビから、宇宙駆ける仏寺スペースオペラまで (2018年7月10日)
- 十三の珠玉、ミルハウザーの魔術に魅了される一冊 (2018年7月3日)
- 2018年6月
- 埃だらけの空気、花を携えた乗客、姿をあらわさないトラ (2018年6月26日)
- 21世紀の「ゴルディアスの結び目」、イーガン経由でアップデートされた『神狩り』 (2018年6月19日)
- ヒロタカ レア・トラックス! (2018年6月12日)
- 大きくうねる戦局のなか、不可解な状況にさらされる兵士たち (2018年6月5日)
- 2018年5月
- 赤目の男に変身する孔雀、山頂と地下をつなげる大蛇 (2018年5月22日)
- 忘れることができるメモリ、未来においてインプットされた記憶 (2018年5月15日)
- ボーイ・ミーツ・ガール物語のサイバーパンク的展開 (2018年5月8日)
- 皇国の欺瞞、ナチスの残虐、アメリカの矛盾 (2018年5月1日)
- 2018年4月
- インディーズならではの雰囲気、キノコのようにひっそり犇めいて (2018年4月24日)
- 消えてしまう過去、儚い現在、記憶のなかの世界 (2018年4月17日)
- 超テクノロジーのロマンとショボいサラリーマン生活のミスマッチ (2018年4月10日)
- アメリカ、それは最後のフロンティア (2018年4月3日)
- 2018年3月
- ゲームとしての世界、プレイヤーとしての人生 (2018年3月27日)
- 輝かしい未来を取り戻すために、ぼくができること (2018年3月20日)
- 現代中国SFの洗練度の高さに瞠目 (2018年3月13日)
- 盆暗にして繊細、くだらないからこそ輝く、宮内悠介の短篇集 (2018年3月6日)
- 2018年2月
- 星への愛は星に撃たれて死ぬこと、では、生きるのはどんな愛か? (2018年2月27日)
- ゲームをつづける町、バスを待つばかりの人生 (2018年2月20日)
- メタフィジカルな奇想と上品なユーモアのショートショート連作 (2018年2月13日)
- 月面都市に渦巻く陰謀、大仕掛けの破壊工作、息詰まるサバイバル (2018年2月6日)
- 2018年1月
- 星に囲まれた静寂のなかで、捨ててきたはずの人生を思う (2018年1月30日)
- ヴァーチャルな恋情とリアルな性愛を問う野心作 (2018年1月23日)
- バイクが主人公の青春SF、異色の宇宙史あり、寓話風数学ファンタジイあり (2018年1月12日)
- 異なる物理理論の宇宙が、この宇宙を浸蝕する! (2018年1月9日)
- 2017年12月
- 書いているのはタイプライターか私か? 狂っているのは誰か? (2017年12月26日)
- 増殖し書き換えられる世界。存在は消えても記憶は残る。 (2017年12月19日)
- 鮮烈なイメージの植物融合都市、小さな物語で大きな世界を照らす。 (2017年12月12日)
- 狂気の細菌兵器、すでにはじまっている破滅 (2017年12月5日)
- 2017年11月
- なぜ、いくら待っても、ぶぶ漬けは出こないのか? (2017年11月28日)
- ロンドンの闇のなかで繰り広げられる、神話世界のゲーム (2017年11月21日)
- マイノリティがマッチョを懲らしめる痛快ダイムノヴェル (2017年11月14日)
- ズレながら重なりあういくつもの可能性世界 (2017年11月7日)
- 2017年10月
- 精神を共有する「ネクサス」が拓くのは、理想郷か地獄か (2017年10月31日)
- 偶然性と運命のアラベスク、あるいは過去からの迷い弾 (2017年10月24日)
- ナボコフによる時間の織物、広がりゆくタペストリーの経験 (2017年10月17日)
- 再現されたデータの断片、ファイルの向こうに立ちあがる大きな謎 (2017年10月10日)
- 2017年9月
- ふたつの人生とふたつの世界 (2017年9月26日)
- ルールを目的とするルール無視、ポスト・トゥルースのゲーム (2017年9月19日)
- アクチャルな未来の質感、テクノロジーと人間の新しい共生 (2017年9月12日)
- 人間価値が低落した太陽系社会で「個人の死」は復権しうるか? (2017年9月5日)
- 2017年8月
- 人類補完機構よりも古くから伝わる信仰、そして愛としあわせの物語 (2017年8月22日)
- 十年目を迎え、ますます好調な年刊傑作選。 (2017年8月15日)
- 地下に埋もれた都市空間、失われた旧文明をめぐる冒険 (2017年8月8日)
- 風の名前を聞け。語られた神話としての人生。 (2017年8月1日)
- 2017年7月
- 時間の因果を超える愛。たとえ宇宙が滅んでも。 (2017年7月26日)
- 風待町ろまん、少年の日の思い出、空から来た友だち (2017年7月18日)
- J・P・ホーガンを超える壮大なSFミステリにしてO・ヘンリーの情緒 (2017年7月11日)
- 探偵は棚にいる。扉の鍵は本に隠されている。 (2017年7月4日)
- 2017年6月
- ご先祖さまとの情事、過去へ未来へいそいそする艶笑譚 (2017年6月27日)
- 未来の化石を描く実験作「終着の浜辺」、アイロニーと詩情の「溺れた巨人」 (2017年6月20日)
- メガストラクチャーの宇宙、遠未来の悪夢 (2017年6月13日)
- 名匠による娯楽長篇『スペース・オペラ』と、濃厚なたたずまいの短篇群 (2017年6月6日)
- 2017年5月
- 世界全体・歴史全体を外側から描くSF──その最高到達点 (2017年5月23日)
- 一篇ごとに工夫を凝らす名手ケン・リュウ (2017年5月16日)
- 21世紀のリアリティで描く、沙漠のユートピア建国 (2017年5月9日)
- 暴力の神話、けものの形象 (2017年5月2日)
- 2017年4月
- 未知との遭遇、10のスタイル (2017年4月25日)
- 独自の二十一世紀日本を舞台にした異色の侵略SF (2017年4月18日)
- ぼくが生きた時代、私が死んだ理由 (2017年4月11日)
- まるごと菌糸のアンソロジー (2017年4月4日)
- 2017年3月
- 無限に反復される抽象画、均質な空間に宿る悪夢 (2017年3月28日)
- 天使が見える神経学者、偏執狂の諜報プロ、神聖なるドラッグの探索 (2017年3月21日)
- 都市伝説と認知科学的が交叉する、異色の青春冒険小説 (2017年3月14日)
- 幽精(ジン)が記した『千一日物語』、量子コンピュータの夢 (2017年3月7日)
- 2017年2月
- 伊藤計劃のテーマを継ぐ、新世代作家たちの共演 (2017年2月28日)
- 計画すべきことが計画しつくされた宇宙で自由意志は可能か? (2017年2月21日)
- 愛の根拠としての死、愛に意味づけられる死 (2017年2月14日)
- 独自の思考と伝統的SFとのあいま、そして『結晶世界』の予兆 (2017年2月7日)
- 2017年1月
- 超自然のニューヨークが舞台、編集キャリアよろよろ歩き (2017年1月31日)
- ベスター第一長篇、第一回ヒューゴー賞、伊藤典夫初の長篇翻訳 (2017年1月24日)
- イカロス、キリスト、そしてデヴィッド・ボウイ (2017年1月17日)
- ベルギーの幻想アンソロジー、戦慄の怪奇譚から幽暗な超現実まで (2017年1月10日)
- 2016年12月
- よるべのない世界、見知らぬ言葉、自分だけの記憶 (2016年12月28日)
- 不思議な語り口、気味の悪い発想、この世のものとも思えない物語 (2016年12月20日)
- 現実と情報を可逆化する海、人知を越えて流動する書字空間 (2016年12月13日)
- SF作家のイマジネーションとAI研究の最新知見が出会う (2016年12月6日)
- 2016年11月
- 伊藤典夫ブランドが存分に堪能できる一冊 (2016年11月22日)
- 「ブラッドベリというジャンル」の二十六篇 (2016年11月15日)
- 日本統治下のアメリカ、不確かなアイデンティティ (2016年11月8日)
- 2016年10月
- 「どこまでもいっしょに行こうねえ」 (2016年10月31日)
- ジェニーの飛翔、ジュリアの彫刻 (2016年10月24日)
- ショートショート・マニアが地団駄を踏み、そして平伏す一冊 (2016年10月18日)
- 日常のすぐ隣、睡眠のわずか手前、半現実の領域 (2016年10月11日)
- 鮮烈なイメージ喚起力と先鋭的なテーマの十篇 (2016年10月4日)
- 2016年9月
- 神話空間としてのジャングル、知性と引き替えの不死 (2016年9月27日)
- 贖罪としての記憶、人生という名の償い (2016年9月20日)
- 星新一も認めた独創性。体温がある文体と作品に包含された謎。 (2016年9月13日)
- アンドロイドは借金完済の夢を見るか? (2016年9月6日)
- 2016年8月
- 「怒り」と「暴力性」の神話、「イノセンス」の希求 (2016年8月23日)
- FはフィメールのF、フジ隊員のF (2016年8月16日)
- 風変わりな家族、適当に逞しい人生 (2016年8月9日)
- 史実に材をとったご当地SFにして、全時空規模の超絶アイデア (2016年8月2日)
- 2016年7月
- テクノロジーのなかの自由、祝祭的高揚のなかで暴力的に世界を毀損する (2016年7月26日)
- 発表媒体も含め新しい試みがおこなわれつつある短篇SFの現在 (2016年7月19日)
- 作りものゆえの豊穣なリアリティ、ヴァンスを読む贅沢 (2016年7月12日)
- アンドロイドはジャムセッションで人間と勝負できるか? (2016年7月5日)
- 2016年6月
- 幸福のための不完全性、本物の感情を奏でるいにしえの物語 (2016年6月28日)
- 赤いリボンをつけ、買いもの籠を手に、不思議な世界をどこまでも (2016年6月21日)
- 月光が呼びおこすもの、響きあうささやかな記憶の奇跡 (2016年6月14日)
- 竜の神話と生物学のロジック、篠田節子のサイエンス・フィクション (2016年6月7日)
- 2016年5月
- 似ているところと似ていないところ、愛の理由、人類進化のかたち (2016年5月24日)
- 解放されたパンドラ、温かい憧れと衝動的な飢え (2016年5月17日)
- 鮮やかな個性が躍動し権謀術策が渦巻く、絢爛たる幻想武侠ロマン (2016年5月10日)
- 疑似科学を支点に、人間性が揺れ世界が軋む (2016年5月4日)
- 2016年4月
- "濃い"のに"軽快"、ベイリーのワイドスクリーン・バロック (2016年4月26日)
- さもしい世界を掃除してやろう! きょうからぼくもプーカ人! (2016年4月19日)
- 自己だけの世界が幻想する、はじまりの場所としての黄金郷 (2016年4月12日)
- それぞれの時代の色合いと情感、スミスの不思議な未来史 (2016年4月5日)
- 2016年3月
- ロボットの教養小説、SFを対象化するSF(みたいな小説) (2016年3月22日)
- 青春時代のヴァーリイ、老いて読むヴァーリイ (2016年3月15日)
- 閉じこめられた娘、自由にうごけないわたし (2016年3月8日)
- 宇宙海賊よりこのオンナのほうがヤバい! (2016年3月1日)
- 2016年2月
- パンデミック後の未来、FBI捜査官コンビが不可解事件を追う (2016年2月23日)
- 音楽はゲームか魔物か? アメリカの実験に終着点はあるのか? (2016年2月16日)
- ねじれた宇宙外交事情を背景としたウルトラマンの闘い (2016年2月9日)
- 壮大な復讐劇の背後で、多様な価値観が複雑に交錯する (2016年2月2日)
- 2016年1月
- 歪んだ因果の閉空間に正真正銘の「終末」が訪れる (2016年1月26日)
- 仮想現実から猿が飛びだす! 冒険SF活劇 (2016年1月19日)
- 騎士になる「ぼく」が負うもの──天上界の魔法、地下境の記憶、ひとの世の名誉 (2016年1月12日)
- 〈直交〉宇宙への序曲 ユークリッド時空の冒険 (2016年1月5日)
- 2015年10月
- 「21世紀のSFベスト」牧眞司が偏愛で選んだ100冊 (2015年10月15日)
- 2013年9月
- サンリオ文庫Aシリーズ(文学)リスト (2013年9月11日)