担当=牧眞司
- 2025年10月21日11:52
【今週はこれを読め! SF編】
成層圏に硫黄のベールを張る弾丸〜ニール・スティーヴンスン『ターミネーション・ショック』- ニール・スティーヴンスンは、メタヴァースの概念を先取りした『スノウ・クラッシュ』(1992年)や、壮大なポストアポカリプスSF『七人のイヴ』((2015年)な...
- 2025年10月14日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
マンモスの意識と人間の欲望〜レイ・ネイラー『絶滅の牙』- レイ・ネイラーは1990年代半ばより作家活動をはじめ、これまで発表した中短篇は四十篇以上。2022年の初長篇The Mountain in the Seaで、...
- 2025年10月7日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
太陽から来た火炎知性体との対話〜オラフ・ステープルドン『火炎人類』- 日本版オリジナル編集によるオラフ・ステープルドン作品集。初邦訳となる珍しい作品ばかりで、ステープルドンが小説に託した思想や、SF的想像力のありかたを知るうえで...
- 2025年9月23日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
iPhoneで自撮りする大正モダンガール〜伴名練『百年文通』- 『百年文通』は 2021年、〈コミック百合姫〉に一年間連載され、すでに一迅社から電子書籍が出ている。また、紙媒体では大森望編『ベストSF2022』(竹書房文庫)...
- 2025年9月18日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
破壊的な憧憬を描く坂永雄一、異言語の潜在性を問う飛浩隆〜日本SF作家クラブ編『恐怖とSF』- ハヤカワ文庫JAで企画される日本SF作家クラブ編オリジナル・アンソロジーは、この『恐怖とSF』が六冊目。折良く(?)クラブ現会長は、怪奇幻想をこよなく愛し、こ...
- 2025年9月9日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
街の神秘と憂愁〜『幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル』- 『幻想と怪奇』がおくる「ショートショート・カーニヴァル」は、この巻で三回目。こんかいのテーマは「幻影の街」。同誌編集室の巻頭言によれば、「町(あるいは、街)につ...
- 2025年9月2日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
神秘と邪悪に彩られた数奇な運命を描く伝奇小説〜パウル・ブッソン『メルヒオール・ドロンテの転生』- 全三巻で企画された《オーストリア綺想小説コレクション》の最終巻。先行する二冊もとびきりユニークな作品だったが、本書も負けず劣らずの不思議な小説だ。原書は192...
- 2025年8月26日13:35
【今週はこれを読め! SF編】
やわらかな死生観を詩的な表現で描く〜笹原千波『風になるにはまだ』- 第十三回創元SF短編賞を受賞した「風になるにはまだ」を表題作とし、同設定の連作を一冊にまとめた笹原千波のデビュー単行本。収録六篇のうち、三篇が書き下ろしである...
- 2025年8月19日11:40
【今週はこれを読め! SF編】
複雑な時空規模で描かれるディストピアSF〜エミリー・テッシュ『宙(そら)の復讐者』- 『宙(そら)の復讐者』は、イギリスの新鋭エミリー・テッシュの長篇第一作で、2023年に刊行され、翌24年にみごとヒューゴー賞を射止めた。活劇たっぷりの本格宇宙S...
- 2025年8月12日11:30
【今週はこれを読め! SF編】
頽廃の時間に閉じこめられた、砂漠の都市〜エドワード・ブライアント『シナバー 辰砂都市』- その都市の名はシナバー。たったひとつの都市、砂漠、グリーンベルト、大海。世界にはこの四つしかないのだ。そもそもシナバーに暮らす人間は、外側になにがあるか興味を...