担当=牧眞司

やわらかな死生観を詩的な表現で描く〜笹原千波『風になるにはまだ』
2025年8月26日13:35

【今週はこれを読め! SF編】

やわらかな死生観を詩的な表現で描く〜笹原千波『風になるにはまだ』
 第十三回創元SF短編賞を受賞した「風になるにはまだ」を表題作とし、同設定の連作を一冊にまとめた笹原千波のデビュー単行本。収録六篇のうち、三篇が書き下ろしである...
複雑な時空規模で描かれるディストピアSF〜エミリー・テッシュ『宙(そら)の復讐者』
2025年8月19日11:40

【今週はこれを読め! SF編】

複雑な時空規模で描かれるディストピアSF〜エミリー・テッシュ『宙(そら)の復讐者』
『宙(そら)の復讐者』は、イギリスの新鋭エミリー・テッシュの長篇第一作で、2023年に刊行され、翌24年にみごとヒューゴー賞を射止めた。活劇たっぷりの本格宇宙S...
頽廃の時間に閉じこめられた、砂漠の都市〜エドワード・ブライアント『シナバー 辰砂都市』
2025年8月12日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

頽廃の時間に閉じこめられた、砂漠の都市〜エドワード・ブライアント『シナバー 辰砂都市』
 その都市の名はシナバー。たったひとつの都市、砂漠、グリーンベルト、大海。世界にはこの四つしかないのだ。そもそもシナバーに暮らす人間は、外側になにがあるか興味を...
超知能を備えた犬の孤独と愛〜オラフ・ステープルドン『シリウス』
2025年8月5日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

超知能を備えた犬の孤独と愛〜オラフ・ステープルドン『シリウス』
 オラフ・ステープルドンは、H・G・ウエルズ以降のSF史においてスタニスワフ・レムが登場するまでのあいだ、もっとも重要な思索的作品の書き手である。悠久の時間の流...
極地探検、空洞地球、さらに宇宙へ〜アレステア・レナルズ『反転領域』
2025年7月22日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

極地探検、空洞地球、さらに宇宙へ〜アレステア・レナルズ『反転領域』
 アレステア・レナルズの長篇が邦訳されるのは久しぶりだが、本国イギリスでは押しも押されもせぬ地位と、読者からのリスペクトを確立している作家である。凝った設定のも...
十三の幽霊屋敷、十三の怪異〜夏来健次編訳『英国幽霊屋敷譚傑作集』
2025年7月15日11:44

【今週はこれを読め! SF編】

十三の幽霊屋敷、十三の怪異〜夏来健次編訳『英国幽霊屋敷譚傑作集』
 創元推理文庫から刊行された夏来健次編訳の英国怪奇小説アンソロジーは、『英国クリスマス幽霊譚傑作集』『ロンドン幽霊譚傑作集』につづいて、本書が三冊目。順調に継続...
オーラが視える私、オーラがない彼〜高野史緒『アンスピリチュアル』
2025年7月8日12:43

【今週はこれを読め! SF編】

オーラが視える私、オーラがない彼〜高野史緒『アンスピリチュアル』
 日本ファンタジーノベル大賞に投じた『ムジカ・マキーナ』でデビューして以来、小説家としてのキャリアは三十年。SF、ファンタジイ、ミステリにまたがって作品を送りだ...
生産性至上主義のディストピア〜ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤン『頂点都市』
2025年7月1日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

生産性至上主義のディストピア〜ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤン『頂点都市』
 ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤンはインドの作家。本書『頂点都市』は、2020年にインドで出版されたのち、23年、改稿版がイギリスで刊行。ローカス賞とアーサー・C...
日常感覚の掌篇と、異様生態系を扱った連作〜キム・チョヨプ『惑星語書店』
2025年6月24日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

日常感覚の掌篇と、異様生態系を扱った連作〜キム・チョヨプ『惑星語書店』
 キム・チョヨプは2017年のデビュー以来、順調に作品を送りだしている韓国のSF作家だ。すでに、長篇『地球の果ての温室で』『派遣者たち』、短篇集『わたしたちが光...
メタフィジカルSF寓話『宇宙創世記ロボットの旅』増補版〜スタニスワフ・レム『電脳の歌』
2025年6月17日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

メタフィジカルSF寓話『宇宙創世記ロボットの旅』増補版〜スタニスワフ・レム『電脳の歌』
 本書『電脳の歌』は、トルルルとクラパウツィウスのふたり組が活躍するメタフィジカルでユーモラスなSF連作集。従来『宇宙創世記ロボットの旅』として邦訳のあった九篇...