担当=杉江松恋

山白朝子の「作家小説」短篇集〜『スコッパーの女』
2026年4月14日12:50

【今週はこれを読め! ミステリー編】

山白朝子の「作家小説」短篇集〜『スコッパーの女』
 作家という無限の暗闇を抱えた存在についての小説である。  山白朝子の最新短篇集『スコッパーの女』(KADOKAWA)の刊行を、私は心待ちに...
弱いけど強い〈俺〉と仲間がいい!〜服部倫『大阪ウェットランド』
2026年3月31日13:31

【今週はこれを読め! ミステリー編】

弱いけど強い〈俺〉と仲間がいい!〜服部倫『大阪ウェットランド』
 弱い。けど強い。  服部倫『大阪ウェットランド』(光文社)の〈俺〉こと椿恭志郎はそういう主人公である。職業はドラマーなのだけど、それほど売...
水生大海の連作集『私のせいではありません』に拍手!
2026年3月19日11:45

【今週はこれを読め! ミステリー編】

水生大海の連作集『私のせいではありません』に拍手!
 てこには力点と作用点、支点が要る。  ぐっと押すのが力点、作用点がぐっと持ち上がる。それを可能にするのが支点である。水生大海『私のせいでは...
毒舌老嬢と召使い少年の歴史ミステリー〜ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』
2026年3月13日12:30

【今週はこれを読め! ミステリー編】

毒舌老嬢と召使い少年の歴史ミステリー〜ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』
 科学的批判精神を持つ人間だけが真実を見極められる。  ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』(村山美雪訳/角川文庫)は一九一〇年五月のイ...
後を引くデビュー短篇集〜エリーザ・ホーフェン『暗黒の瞬間』
2026年3月2日12:30

【今週はこれを読め! ミステリー編】

後を引くデビュー短篇集〜エリーザ・ホーフェン『暗黒の瞬間』
 そこかしこに穴が空いていたのに、気づかずその上を歩いてきてしまった。 歩き終えてから振り返り、陥穽の存在に気づいて慄然とする。 そんな読み...
もういない妹の人生を再発見していく物語〜ケリー・ギャレット『偽妹』
2026年2月13日21:25

【今週はこれを読め! ミステリー編】

もういない妹の人生を再発見していく物語〜ケリー・ギャレット『偽妹』
 読んでいくほどに印象が変わっていく小説だった。  本邦初紹介の作家、ケリー・ギャレットの『偽妹』(矢島真理訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)は、...
暴力の祭典を描いた劇毒小説〜増島拓哉『飢える骸』
2026年2月2日11:58

【今週はこれを読め! ミステリー編】

暴力の祭典を描いた劇毒小説〜増島拓哉『飢える骸』
 劇毒と言ってもいい犯罪小説であった。  増島拓哉『飢える骸』(KADOKAWA)は、この場で紹介していいかどうか少し悩む、暴力の祭典を描い...
噛みしめるたびに驚きがある逸品〜東川篤哉『じゃあ、これは殺人ってことで』
2026年1月23日20:00

【今週はこれを読め! ミステリー編】

噛みしめるたびに驚きがある逸品〜東川篤哉『じゃあ、これは殺人ってことで』
 やわやわの外見にしっかりとした骨格が備わっている。  伊勢うどんだと思って口に入れたら中にバリカタの長浜ラーメンがあったようなもので、噛み...
井上真偽の正面からの謎解きを見よ!〜『ぎんなみ商店街の事件簿2 白雪姫と五枚の絵』
2026年1月14日12:18

【今週はこれを読め! ミステリー編】

井上真偽の正面からの謎解きを見よ!〜『ぎんなみ商店街の事件簿2 白雪姫と五枚の絵』
 連作短篇集という形式を十二分に活かした良作である。  とだけ書いて終わりにしたい気持ちになったのだが、それでは書評の用に足らないのでもう少...
『猿』は正調の京極夏彦作品である!
2026年1月9日14:10

【今週はこれを読め! ミステリー編】

『猿』は正調の京極夏彦作品である!
 ああもう、これはどうやって紹介すればいい本なんだろうか。  京極夏彦の新刊『猿』(KADOKAWA)を前に、私は途方に暮れている。  うっ...