担当=杉江松恋

- 2025年10月29日15:28
【今週はこれを読め! ミステリー編】
自縄自縛の謎解き小説〜B・スティーヴンソン『真犯人はこの列車のなかにいる』- 自分を縛る縄は大リーグボール養成ギプスになることもある。 古い喩えで申し訳ない。本年を代表する謎解き小説としてベンジャミン・スティーヴン...

- 2025年10月26日11:34
【今週はこれを読め! ミステリー編】
家や町が丸ごと消える!〜北山猛邦の消失トリック作品集『神の光』- すごく消えるよ。 当代随一のトリックメーカー・北山猛邦の新作『神の光』(東京創元社)は、五篇を収めた作品集である。 収録は発表順で、巻...

- 2025年10月16日11:45
【今週はこれを読め! ミステリー編】
独断専行の男の警察小説〜櫻田智也『失われた貌』- あ、こういうミステリーをどこかで前に読んだことがあるなあ。 でもどこで読んだか、はっきり言えないなあ。 そんなことを考えながら櫻田智也...

- 2025年9月17日19:30
【今週はこれを読め! ミステリー編】
マクファデン『ハウスメイド』の破壊力を見よ!- 最も破壊力が強いのは、最も単純な構造のミステリーである。 という格言があるかどうかは知らない。結構いろいろな人が言っているような気がする...

- 2025年6月25日11:17
【今週はこれを読め! ミステリー編】
七つの試練に挑戦する青春犯罪小説『バッドフレンド・ライク・ミー』- これってさ、『悪党パーカー/汚れた7人』じゃないか、リチャード・スタークの。 井上先斗『バッドフレンド・ライク・ミー』(文藝春秋)を読み...

- 2025年5月28日12:10
【今週はこれを読め! ミステリー編】
"ただ普通でありたかった"男の人生〜月村了衛『普通の底』- 2025年の現実を犯罪小説的視点で見ればこういう長編になる。 先般、『虚の伽藍』(新潮社)が高校生直木賞に選ばれたばかりの月村了衛が、書...

- 2025年5月24日11:52
【今週はこれを読め! ミステリー編】
鮮やかな連作短編集〜長岡弘樹『交番相談員 百目鬼巴』- あ、これそういう小説だったのか。 長岡弘樹『交番相談員 百目鬼巴』(文藝春秋)の収録作を順番に読んでいくと、軽い驚きを覚えるはずである。...

- 2025年5月14日12:30
【今週はこれを読め! ミステリー編】
二代目名探偵が頑張る!〜潮谷験『名探偵再び』- 潮谷験が名探偵について真面目に考えると、こうなる。 新作『名探偵再び』(講談社)を読んで、ああもうこの人はいつも、と感心した。 必然性...

- 2025年5月7日11:30
【今週はこれを読め! ミステリー編】
世界の理不尽さを描く〜チェスター・ハイムズ『逃げろ逃げろ逃げろ!』- 身も蓋もない現実を小説として描くならばそれは必ず喜劇になる。 そのことを教えてくれた作家が幾人もいる。一人がチェスター・ハイムズだった。...

- 2025年4月24日11:25
【今週はこれを読め! ミステリー編】
型破りな好漢刑事に拍手!〜クイーム・マクドネル『悪人すぎて憎めない』- 荒くれすぎて汚せない。 クイーム・マクドネルの小説を読むと、そのざらつく手触りと、深奥にある清らかさとの差に驚かされるのである。最も無骨...
