担当=杉江松恋
- 2024年12月20日17:05
【今週はこれを読め! ミステリー編】
作者の原体験が盛り込まれた辻真先『命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎』- 辻真先の新刊題名を見て、おっ、と思わず声が出た。 『命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎』(東京創元社)である。副題を見ていただきたい。「...
- 2024年12月4日16:53
【今週はこれを読め! ミステリー編】
シリーズ掉尾を飾る自叙伝小説〜ローレンス・ブロック『マット・スカダー わが探偵人生』- 犯罪小説史上、極めて重要な意味を持つ一冊となった。 ローレンス・ブロック『マット・スカダー わが探偵人生』(田口俊樹訳。二見書房)は不思...
- 2024年11月27日11:30
【今週はこれを読め! ミステリー編】
夜を描く落語ミステリー〜愛川晶『モウ半分、クダサイ』- 口承文芸の本質とミステリーの趣向が理想的な形で結合した小説である。 愛川晶『モウ半分、クダサイ』(中央公論新社)は、著者が得意分野とする...
- 2024年11月21日12:03
【今週はこれを読め! ミステリー編】
「えっ」と驚くジェローム・ルブリ『魔女の檻』がおもしろい!- ミステリーはルールのある喧嘩のようなものだから、基本的になんでもありだ。 なんでもありとしつつ、ルールは守れ、とも言っているので、どこに...
- 2024年11月15日12:10
【今週はこれを読め! ミステリー編】
想像を超えた展開になだれ込む〜ジャン=クリストフ・グランジェ『ミゼレーレ』- 文章の一つひとつが剣山となり、肌をえぐられるような感覚があった。 ジャン=クリストフ・グランジェ『ミゼレーレ』(平岡敦訳。創元推理文庫)...
- 2024年10月31日13:14
【今週はこれを読め! ミステリー編】
どんどんよくなるワシントン・ポー・シリーズ〜M・W・クレイヴン『ボタニストの殺人』- M・W・クレイヴンは出るたびによくなっていく。 新作『ボタニストの殺人』(東野さやか訳/ハヤカワ・ミステリ文庫。訳者・版元は以下同)のこ...
- 2024年10月24日16:25
【今週はこれを読め! ミステリー編】
〈伝える〉のが難しい短篇集〜斜線堂有紀『ミステリ・トランスミッター』- 外見よりもずっと紹介が難しいミステリー短篇集である。 斜線堂有紀『ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に』(双葉社)は、幅...
- 2024年10月19日13:30
【今週はこれを読め! ミステリー編】
表裏2つの物語が響き合う〜ガレス・ルービン『ターングラス 鏡映しの殺人』- テート・ベーシュと言うのだそうである。フランス語で「頭と足が接した」の意。 ガレス・ルービン『ターングラス 鏡映しの殺人』(越前敏弥訳。...
- 2024年9月30日11:30
【今週はこれを読め! ミステリー編】
始まりと終わりに向けて進む物語〜エヴァ・ドーラン『終着点』- ミステリーとしての正体が表れてからが本番である。 イギリス作家エヴァ・ドーランが二〇一八年に発表した長篇『終着点』(玉木亨訳/創元推理文...
- 2024年9月17日09:00
【今週はこれを読め! ミステリー編】
先がまったく読めない犯罪小説〜ペトロニーユ・ロスタニャ『あんたを殺したかった』- 何をされてもいいや、もう。 ペトロニーユ・ロスタニャ『あんたを殺したかった』(池畑奈央子監訳・山本怜奈訳/ハーパーBOOKS)を読んでい...