書評の愛が深いとき、読み手はその本を買う
「感動!」「涙が止まらない」「ほっこり」を封印して〈熱〉を伝える
朝日新聞記者で名文家の著者が、本の選び方、読み方・書き方まで対話形式でくわしく解説。X、Instagram、note、Amazonでのブックレビュー初心者からプロの書評までに対応。
[目次]
第一章 書評とは何か 23
教わることに強度はない 24
プロのライターになるつもりがなくても 27
書評は、プリズムだあ! 28
書評は「読みの地平」を広げる 33
型にはめる/型を壊す 35
作品の良さが見えるまで何十回でも読む 38
書く前にググるな。自分にしつこく問え 41
「愛の深さ」を読者は買う 44
自分の柱を意識して感受性を磨く 46
感受性の強さは自分のこだわりにつながる 50
五感で感じたものを言葉にするとオリジナルになりやすい 58
「すごい」「感動した」を封印する 60
書評をうまく書くより、まず本物の本好きになる 64
深いことを易しく書くのがプロの書き手 65
第二章 書く前のウォーミングアップ 69
おもしろいと思う対象への愛をあきらめない 70
ネガティブなことを書くにも流儀がある 74
死んだ作家のストーカーになれ 76
信用できない世界に生きる 80
古典を読むか、新聞・実用書を読むか 84
主要新聞の書評欄は全部読む 87
新聞の活用法はデータベースで 88
新刊新書の参考文献を活用する 90
長期的トレーニング ① 起き抜け十五分のゴールデンタイムに読む 95
長期的トレーニング ② 二時間集中して映画を観る癖をつける 103
長期的トレーニング ③ 音楽を系統立てて聴く 106
長期的トレーニング ④ 文学でリスト敏感体質になる 112
苦手なジャンルはなぜ苦手かを言語化する 116
おすすめ本を渡さず書評を渡せ 122
芥川賞・直木賞受賞作の書評を速攻で書く練習をする 124
軸が通っていないと、文章は読者に当たらない 125
惚れた言葉を手放すな 127
第三章 本を選ぶ・本を読む 135
読めば分かると思ったら大間違い 136
本の正解は著者がもっているのではない 141
誤読の権利はあるが誤解の権利はない 146
古典の長編小説は、あらすじを読むものではない 148
対価が発生する読書は、「楽しみ」で読むな 151
本の選び方 153
好きなジャンルをマニアックに書かない 153
自分のウイングを広げる 154
マーケットは、気にして、無視する 155
かっこいいからチャレンジングな本に挑戦する 158
本の読み方 レベル1 傍線 161
スピード重視で要約版を作る 161
本の読み方 レベル2 ドッグイアー 164
熟成させ、雑味を抜く 164
本の読み方 レベル3 抜き書き 166
思考と感情のフローを作る 166
抜き書きはエクリチュール限定で 171
抜き書き帳は持ち歩けるメモ帳サイズで 173
小説・詩の抜き書きは無制限 175
社会科学・自然科学系の本の抜き書きは三カ所のみ 177
最後に目次を書き入れる 180
本の読み方 レベル4 抜き書き帳再読 185
世界でいちばん楽しい読書 185
コラムで映画館に人を呼ぶ 188
作品に言葉を与えるという仕事 194
抜き書き帳を読み返しフロー状態にしておくのがレベル4 197
書評書きで食べていくなら千冊は所蔵しよう 200
前情報なしで何を書けるかがライターの真価を分ける 201
本のオリジナリティはカノンを読めば見えてくる 204
読んでいるときにどういう空気に包まれていたか 206
評者は前に出てくるな、本を前に出して書け 212
本は飛ばし読みするもの 214
第四章 書評を書く 基本 219
本の良し悪しを決めない 220
書評は評者のエゴの発露の場じゃない 224
自分をよく見せたいために難しい漢字を使うな 226
書評におけるいい文章 ①分かりやすさ 227
一文は短く。必要な説明を厳選 227
楽をするのは読者、書き手じゃない 230
わたしをジャンル分けしないで 232
無粋を引き受ける 235
書評におけるいい文章 ②読みやすさ 237
固有名詞・数字は必要最小限に 237
なくて通じる指示語はNG 238
上級者は重複回避で文章そのものを変える241
書評で大事な誠意と熱量 245
書評におけるいい文章 ③呼び込み 248
自信と責任をもつ 248
手あかのついた表現はいらない 251
抜き書きの目的は良い文章の〈構造〉をまねること 255
建物の〈構造〉にも気を配る 257
第五章 書評を書く 展開 263
最終フォーマットで書き始めない 264
うわごとに道をあけて突拍子もない跳躍をする 268
着地から書き始めることもある 271
相手をポカーンとさせられるうわごとをもっているか 274
読者も麻痺するうわごとの効用 276
秘伝マニュアル 書評の書き方 278
①書評する本に付箋を貼りまくる 279
②付箋からテキストエディタに書き写す 280
③引用箇所をにらんで「柱」を見つける 281
④テキストエディタでグループ分け 281
⑤柱が書くべき文章を呼び込む 282
要約で作るあらすじはつまらない 292
「泣けた」と書かずに「泣いたんだな」と感じさせる文章にする 294
締め方に正解はない 296
最後は頭の中で音読する 297
書評は著者を生かしも殺しもする 299
泥棒が警察を捕まえたら書く? 300
熱いハートとクールなマインドを併せ持つ 302
あとがき 野にかける白い馬たちに 306
引用文献一覧 314
■四六判並製 ■316頁
ISBN978-4-86011-611-8
近藤康太郎(こんどう・こうたろう)
作家/評論家/百姓/猟師/新聞記者
1963年、東京・渋谷生まれ。1987年、朝日新聞社入社。AERA編集部、ニューヨーク支局、文化部を経て、九州へ。新聞紙面では、コラム「多事奏論」等を担当する。熊本県天草市在住。長崎県旧田結村で米作り、長崎と熊本で鉄砲猟をしつつ、著述に励む。
著書に、『文章は、「転」。』(フォレスト出版)、『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』(ともにCEメディアハウス)、『アロハで田植え、はじめました』『アロハで猟師、はじめました』(ともに河出書房新社)、『「あらすじ」だけで人生の意味が全部わかる世界の古典13』『朝日新聞記者が書いたアメリカ人「アホ・マヌケ」論』『朝日新聞記者が書いた「アメリカ人が知らないアメリカ」』(ともに講談社)、『リアルロック 日本語ROCK小事典』(三一書房)ほか多数。
