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第3話 I lit a fire
 冬のはじまり、誰も来ない夜である。店内を照らす電球、時計の振り子の音、ストーブ... (24.12.14)
第2話 人生は間違いである
 自転車を商店街側から路地へ滑らせてゆく。片側が駐車場になってしまっては路地とい... (24.11.15)
第1話 ここから何処にも参らず
「場所に囚われずに生きたいんです」  旅人の青年はそう言った。帳場前の会話だ。私... (24.10.11)
第23話(最終話) 差し出す声もなく、手を握る
 雨が降っている。窓の下を若者の話し声が歩いていった。ラジオはアルテミス計画の話... (24.09.24)
第22話 古本社会人
 今朝方、猛烈な音を立てていた雨は強弱をつけながら昼間になっても降り続けている。... (23.11.25)
第21話 銭の色、匂い
 電話が鳴る。出ると電子決済の営業だ。「すみません、うちは現金主義なもんで」と濁... (23.03.22)
第20話 冬のこと
 家を出て坂を下ると小学校の裏手に桜並木がある。木は人ひとりが通れる小道に覆いか... (22.12.21)
第19話 ほんの出来心
 ぶつかることはないのだろうか。彼を町で見かけるたび、つい眺めてしまう。短く切り... (22.10.11)
第18話 本の間で眠る窓
 通販に登録する本の奥付を確認したあと、ふとページをめくる。目次を見ていると気に... (22.08.06)
第17回 さよならだけが人生か?
 古本屋、銭湯、安い呑み屋に定食屋と喫茶店。違う町に旅行へでても、いく場所、店は... (22.06.29)
第16回 五月の夕暮れの匂い
 五月の夕暮れの匂いがした。なんの匂いだろうか。この季節に咲く植物の匂いに海の匂... (22.06.08)
第15回 夜を急ぐ
 朝、起きると花と目が合った。カーテンの開けはなれた窓からは燦々と光が降る。枕元... (22.03.27)
第14回 生き残ってしまった
 夜になると町はとても静かだ。いつもは酔客待ちのタクシーの行列が並んでいた通りに... (21.09.28)
第13回 新しい友と懐かしい友
 古本仕入の帰り道はいつもどこか寂しい。三万円で買った三菱のミニカにぱんぱんに積... (21.09.28)