「峰典子」
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地球の裏側で学ぶ、子どもたちの風景『世界の果ての通学路』
こんな時世でも四季は一巡し、新しい春がやってきた(そして時すでに、夏に近づいてきているのだが)。そこここに、黄色い頭がタンポポのように咲きこぼれている。
5/12 (Wed)-
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R・ゴズリングとB・クーパーが共演したクライムドラマ 『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』
退廃的な世捨て人を演じるライアン・ゴズリングが大好物だ。『ブレイス・ビヨンド・ザ・バインズ/宿命』(13)でも、なかなかゴツゴツとしたゴズリングを拝むことができる。
5/ 5 (Wed)-
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某チェスドラマにハマったなら、この作品はいかが 『ボビー・フィッシャーを探して』
Netflixのオリジナルドラマ『クイーンズ・ギャンビット』は、米ソ冷戦時代を舞台に、天才的なチェスの才能を持つ少女ベスが、薬物依存に悩まされながらもグランドマスターを目指すという物語。
5/ 4 (Tue)-
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ローカル紙の記者チームが暴いた大スクープ 『スポットライト 世紀のスクープ』
約40億ドル。この巨額、一体なにかというと、米全土で支払われてきたカトリック教会による性的被害者の損害賠償額である。「スポットライト 世紀のスクープ」は、神父たちによる性的虐待を、教会の組織ぐるみで隠蔽していたという大スキャンダルを、新聞記者たちが暴いた実話に基づく社会派ドラマである。
3/15 (Mon)-
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新人捜査官とハンターが手を組み事件を追う『ウインド・リバー』
荒れ狂う自然と剥き出しの暴力。ネイティブ・アメリカンの村社会の闇。片田舎ならではの葛藤や、行き場のない怒りの描かれ方は『スリー・ビルボード』にも通じるものがある。
3/ 9 (Tue)-
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実体のないAIとの恋の行方『her/世界でひとつの彼女』
出会いも告白もお付き合いもオンライン上で済ます、リモート恋愛なるものがコロナ禍で加速しているという。ネタのようなものだと思っていたが、あながちそうとも言えないらしい。
3/ 8 (Mon)-
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マーク・ザッカーバーグを半フィクションで描く『ソーシャル・ネットワーク』
24億人以上のユーザーを抱える「フェイスブック」。名実ともに世界最大のSNSである。将来性のある企業に次々に目をつけ、インスタグラムも買収。最近では、大きな影響力を持ちすぎたために、アメリカ連邦取引委員回から独占禁止法で提訴された。競争を阻む行為だと断定されたわけだ。
3/ 2 (Tue)-
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元バンドマンの父と利発な娘がセッションしたら!? 『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』
夢を追うために、必ず何かを諦めなきゃいけない。何かにつけて現実的になってしまう若者に、そんなことはないんだよ、好きなことを諦めなくていいし、欲張りになってもいいんだ、とやさしく語りかけてくれる、そんな映画である。
2/25 (Thu)-
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勉強一筋の天才が自分改革に挑む 『マイ・プレシャス・リスト』
ある日ペトロフはキャリーにリストを渡し、そこに書かれた6つの課題を1か月間でクリアするように告げる。疑いながらも、1つずつ項目を実行していくキャリー。そして、人と関わる中で、徐々に自分の変化に気づいていく...。
2/24 (Wed)-
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孤独な少年と孤独な馬、一人と一匹の逃避行『荒野にて』
アメリカ、ポートランドの郊外。15歳の少年チャーリーの朝はランニングから始まる。母は蒸発しており暮らしは貧しいが、酒飲みで女好きな父親との関係はまずまず良好。
2/22 (Mon)-
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大きい桃に乗って旅に出る。ロアルド・ダール原作のファンタジー『ジャイアント・ピーチ』
小説家ロアルド・ダールといえば、映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作である「チョコレート工場の秘密」を思い浮かべる人が多いかと思う。生誕130年を迎えるイギリス人作家である彼は、ユーモアをふんだんに織りなす小説をたくさん書いた人。
2/10 (Wed)-
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17歳のスカーレット・ヨハンソンが演じる名画の裏側『真珠の耳飾りの少女』
誰もが知っている名画であろう、フェルメール「青いターバンの少女」=真珠の耳飾りの少女から空想された原作小説を映画化した作品である。
1/26 (Tue)-
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ありふれた青春を美しい世界に昇華させる『レディバード』
監督グレタ・カーヴィグの撮影風景を見るのが好きだ。さらりとしたオーバーシャツを腕まくりしている時も、ワンピース姿でヘッドフォンを首に引っ掛けている時も。ジャッケット姿でノートパソコンを叩いているのもいい。
1/22 (Fri)-
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苦く美しい恋と死を描く『世界一キライなあなたに』
いかんせんダサい邦題になってしまったが、原題は「Me Before You」。ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークと、「あと1センチの恋」のサム・クラフリンによる『世界一キライなあなたに』を紹介したい。
1/21 (Thu)-
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ウルヴァリンvs バットマン! ノーランが描くマジシャンの世界『プレステージ』
クリストファー・ノーランの代表作を挙げるとすれば、バットマンシリーズ、もしくは最新作のTENETなのでは、と思うのだが、未見の作品がひとつあることに、つい最近気付いた。
12/31 (Thu)-
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北風とともに甘い匂いの季節がやってくる『ショコラ』
時代は1959年。春の訪れの少し前、フランスの片田舎の村ランスケにやって来たシングルマザー、ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と、娘アヌーク。お揃いの赤いコートに身を包み、不思議な魅力を放つ母娘は、チョコレート屋を開業するためにこの村へきたのだ。
12/30 (Wed)-
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まるでドラえもん。多機能な死体と遭難男の友情を描く『スイス・アーミー・マン』
ホラーなの? ゾンビなの? 身構えるこちらの緊張感をぶち壊すのが、メニーから絶えることなくブッブッと聞こえるオナラ...。いや、これ、もしかしたらもしかするかもしれないぞと、またがってみたら、いけるじゃん。
12/29 (Tue)-
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死後の美しい世界を若きシアーシャ・ローナンが演じる 『ラブリー・ボーン』
透き通ったような肌と、ライトブルーの瞳が強く印象に残る。シアーシャ・ローナンは26歳にして、賞レースに愛される俳優である。
12/25 (Fri)-
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セットは全部ダンボール。DIYなファンタジーホラー 『キラーメイズ』
兎にも角にも設定がユニークなのだが、そこに惑わされずに見てみると、意外な一面が見えてくる(かもしれない)。
11/18 (Wed)-
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父娘が導く、片道800kmの鳥の旅『グース』
グースと聞いてピンとくるだろうか。秋にシベリアから日本にやってくる渡り鳥で雁(ガン)ともいう。かつては日本全国どこでも見られた、ありふれた鳥だった。映画『グース』に登場するのは、カナダガンと呼ばれる種で、重く響くように、ホーンクホーンクと鳴く。
11/16 (Mon)-