「峰典子」
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タイプライター早打ちでエースをねらえ! 『タイピスト』
「輝かしくてロマンのあるもの。うれしくなるような感性がある。」大のタイプライターファンで、一時は250台を所有し、遂にはタイプライターアプリまで開発してしまったトム・ハンクスがインタビューでそう語っていたのを目にしたことがある。
3/21 (Mon)-
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友を売るか。ハリウッドを去るか。 『真実の瞬間』
第二次世界大戦後のアメリカで、共産党員およびその支持者を追放する動きがあった。通称「赤狩り」と呼ばれ、ハリウッドでもチャーリー・チャップリンが亡命を余儀なくされたり(帰国は叶わずスイスで仕事を続け永眠)、多くの映画関係者が仕事を失う大スキャンダルとなる。
3/17 (Thu)-
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もしも、あの時。大人のパラレルワールド物語 『天使のくれた時間』
あの時、あの場所で、もしも違う選択をしていたら。ひとりの男が、人生において本当に大事なものとは何か、気付きを与えられる。そんな映画である。
2/21 (Mon)-
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声だけを頼りに展開する独白型サスペンス 『ギルティ』
聞けばデンマーク映画だという。監督にとって初の長編映画、主演も馴染みのない俳優、限定された一つの空間が舞台で、ほぼ一人芝居。しかも上映時間は88分と短い。
2/18 (Fri)-
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人気小説がテーマの密室ミステリー 『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
もう20年近く前のことになるが、一世を風靡し映画化もされた小説「ダヴィンチ・コード」のヒットはまだ記憶に新しい。作者のダン・ブラウンのバックグラウンドはというと、著名な数学者の父と敬虔なキリスト教徒の母。そして妻は美術史研究者で画家。
1/17 (Mon)-
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巨匠が描く初老男のアートと恋『鑑定士と顔のない依頼人』
以前このコラムでも紹介した恋愛映画『ある天文学者の恋文』と同じく、ジュゼッペ・トルナトーレ監督、音楽はエンニオ・モリコーネという『ニュー・シネマ・パラダイス』コンビによる恋愛ミステリー映画が『鑑定士と顔のない依頼人』である。
1/11 (Tue)-
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世界最高の図書館をドキュメンタリーで追った作品 『ニューヨーク公共図書館 エクス・リプリス』
公開当時、3時間25分という尺に日和ってしまい、劇場に足を運ばなかったのだが、ようやく配信で見ることができた。ドキュメンタリーなので半分ずつ見てもいいと思うし、実際、私も休憩を入れつつのんびりと見た。
12/ 1 (Wed)-
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現実と妄想の境目がにじみだすとき 『マシニスト』
兎にも角にも、クリスチャン・ベールの浮かび上がるあばら骨に目がいってしまうのだが、それもそのはず。睡眠障害に悩み、痩せ衰えていく男を演じるために30キロ近くも減量して挑んでいるのである。
11/22 (Mon)-
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ニコラス・ケイジは人類滅亡を防げるのか 『ノウイング』
ジョン演じるニコラス・ケイジの、地球の滅亡を知ってしまったけれど、自分には為す術もない、という絶望的な演技が絶妙で、なかなかクセになる。
11/19 (Fri)-
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残忍なシリアルキラーの温かな記憶『テッド・バンディ』
連続殺人犯を指す「シリアルキラー」という言葉がある。ミステリー好きなら、ドラマや小説なんかでも馴染みがあるだろう。このシリアルキラー、元FBI捜査官のロバート・K・レスラーが、テッド・バンディ(Theodore Robert Bundy、全米で最も有名な殺人犯と言われている)を表すために1984年に提唱した単語とされている。
11/ 9 (Tue)-
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マーティン・スコセッシが描く電流戦争 『エジソンズ・ゲーム』
トーマス・エジソンと言えば「発明は99%の努力と1%のひらめきである」との発言とともに、あまりにも有名な人物である。80歳過ぎても日に16時間は働き、500万枚ものメモを残していたというから、そのバイタリティーと発明魂には恐れ入る。
10/ 8 (Fri)-
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古代都市に取り憑かれた男たち 『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』
またまた邦題アカン案件。ブラピ率いる「プランBエンターテインメント」が制作と知らなければ、このまま見ないままだったかもしれない。B級タイトルに紛れた良作『ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追え』の話である。
9/ 3 (Fri)-
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古代エジプトに破壊をもたらした十の災い 『エクソダス:神と王』
"十の災い"という旧約聖書に出てくる逸話がある。古代エジプトで奴隷だったヘブライ人を救うため、神が10種の災害をもたらしたというものだ。人々を導く使命を授かったモーゼが王に解放を頼むも受け入れられず、神はカエルやアブ、病気といった災いをもたらした......。
9/ 2 (Thu)-
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フェラガモがインスピレーションを受けたSF傑作 『ガタカ』
サルヴァトーレ フェラガモの2021秋冬コレクション「FUTURE POSITIVE」の写真をたまたま見つけて、着想を得たという作品に『マトリックス』と共に挙げられていたのが『ガタカ』だったから驚いた。
8/10 (Tue)-
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人種を超えた友情の先にあった盲点とは『ブラインドスポッティング』
周囲にはバレているけれど、自分自身では気付けていない行動、というものがある。それを「ブラインドスポット」(=盲点)と呼ぶのだという。多かれ少なかれ皆にあるものだ。
7/13 (Tue)-
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アイディアひとつで主婦から億万長者に『ジョイ』
インスタグラムは、なんとライフハックネタに溢れていることか。キッチングッズの新商品だとか、突っ張り棒の意外な使い方とか、サンドイッチをお店みたいに上手に包む方法だとか。
6/ 8 (Tue)-
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STオタクの少女が好き!を叶えるバス旅へ 『500ページの夢の束』
ここ数年、やたら自己肯定力ってフレーズが世に出回っているのを見ると、つまりは自分を否定してしまう人も増えている、ということを実感してしまう。そんな厳しい世の中で、推しのいる人生ってやっぱり鮮やかなのだろうな、って思うのです。
6/ 7 (Mon)-
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J・フェニックスが完全犯罪を企てる 『教授のおかしな妄想殺人』
冒頭、アメリカ東部の大学に新しい教授が赴任してくる所から始まる。エイブ(ホアキン・フェニックス)は哲学の専門家。若いうちは政治活動や執筆に熱中し、精力的に世界中を飛び回っていたのだが、妻の浮気やジャーナリストの友人の死により、慢性的に孤独な無気力人間になっていた。
6/ 2 (Wed)-
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火山に消えた幻の街と恋『ポンペイ』
かつて桃源郷と言われたポンペイは、イタリアの南部、ナポリの南にかつてあった地方都市である。ギリシャとローマの文化を兼ね備え、文化発展に恵まれていた。
5/26 (Wed)-
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凶悪殺人犯に翻弄された三人の男たち 『ゾディアック』
日本で有名な未解決事件といえば、三億円事件とか、グリコ森永事件などがあるが、アメリカでは<ゾディアック事件>というものがある。1966年から1974年にかけて6人の男女が白人の男に襲われ、猟奇的な方法で殺害された事件だ。
5/19 (Wed)-